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水族館でも見られるイトヒキアジ

イトヒキアジは水族館でも見られ、水量の多い水槽で飼育されることがあります。鰭条が細く、繊細そうな印象を受けますが実際にはそれほど弱いような魚ではなく、丈夫でほかの魚と飼育されることもあります。

ただし、イトヒキアジの特徴である、長く伸びた鰭条はほかの魚につつかれるなどして、小型の個体であっても短くなってしまっていることもあります。

イトヒキアジ(提供:PhotoAC)

イトヒキアジやウマヅラアジの幼魚はまれに観賞魚店で販売されていることもありますが、大きな遊泳スペースを必要とし、水槽飼育でも30センチは超えるため、ホームアクアリウムでの飼育に適した魚とはいえません。

ですから、よほど大きな水槽を用意できるアクアリスト以外は手を出すべきではないといえます。そのため水槽よりも、水族館または食卓で楽しむべき魚といえるでしょう。

もちろん、水槽内で成長したものを海に逃がすということはやめるべきでしょう。

(サカナトライター:椎名まさと)

謝辞と参考文献

今回のイトヒキアジは石田拓治さん(長崎市・マルホウ水産)より、ウマヅラアジは田中 積さん(鹿児島市・田中水産)より入手しました。ありがとうございました。

榮川省造(1982)、新釈 魚名考、青銅企画出版

Kimura, S., S. Takeuchi and T. Yadome, 2022. Generic revision of the species formerly belonging to the genus Carangoides and its related genera (Carangiformes: Carangidae). Ichthyol. Res. 69(4):433-487.

小枝圭太・畑晴陵・山田守彦・本村浩之(2020)、大隅市場魚類図鑑、鹿児島大学総合研究博物館

中坊徹次(2013)、日本産魚類検索 全種の同定 第三版、東海大学出版会

日本魚類学会編(1981)、日本産魚名大辞典、三省堂

岡村収・尼岡邦夫(1997)、日本の海水魚、山と渓谷社

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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