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隔離ケースで育成を試みる

そうは言っても、大人メダカに見つかってパクリとされるのも時間の問題です。フロート式の隔離ケースを水面に浮かべ、針子を水ごと掬って中に隔離しました。

このサイズだと、直接網で掬うと傷つき死んでしまいます。

フロート式隔離ケース(提供:みのり)

針子は生まれて数日間はサケの稚魚と同じように卵嚢がついており、そこから栄養を吸収して成長します。

しかし、その後は自分から餌を得なければならず、餓死の危険性が高まります。そこでメダカの餌をさらに細かくすり潰したものを隔離ケースの中に撒いてみました。

しばらくすると針子たちは水面付近に集まりだしました。ピクピク動いているため、恐らく採食していると思われます。

採餌する針子(提供:みのり)

本来は放置前提のビオトープですが、久々の針子誕生でそれどころではありません。なんとかこの針子たちだけでも大人のメダカにしてみせようと、現在も育児奮闘中です。

数匹は敢えて隔離せずに残してみる

数日間観察して気づいたことがあります。

その後も時々針子たちは増えていきましたが、意外にも大人メダカたちは針子に見向きもしないのです。大人メダカが採食している時も、彼らは針子たちをガン無視しています。たまたまかもしれませんが、もしかしたらもう餌とは認識していないのかもしれません。

そこで数匹のみ隔離し、残った針子は敢えてそのままにしてみることにしました。餓死の恐れがあるため餌だけは毎日与え、他はビオトープの環境力に任せてみようと思ったのです。

本来このビオトープは放置する前提。その環境下でも針子たちは生き延びられるのか、今後の観察も楽しみです。

魚飼育のはじめてはたのしい

10年以上近く魚の飼育を行ってきましたが、何年経ってもはじめて飼育する魚にはワクワクします。

それがたとえ繁殖経験のあるメダカであっても、シチュエーションが異なるだけでワクワクが止まりません。またこのメダカたちが完全飼育下ではなかったという点もまたワクワクする要因かもしれません。

(サカナトライター:みのり)

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

水族館に関するお話やフィールドワーク体験の記事を中心に、自然環境の素晴らしさやそれらを取り巻く文化的なお話もお伝えしていきます。

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