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沖縄県で発見!新種のサンゴが<リュウキュウサンゴ>と命名 本島沖の水深860mで見つかる

一般財団法人沖縄美ら島財団と東京大学の共同研究グループは、同財団が実施した深海生物調査で採集されたサンゴが新種であることを明らかにしました。

調査されたサンゴは遺伝子による分析の結果、ミゾサンゴ属の1種であることが判明。和名と学名は「琉球」に因み Hemicorallium ryukyuense およびリュウキュウサンゴと命名されました。

この研究成果は『Species Diversity』に掲載されています(論文タイトル:A New Species of the Genus Hemicorallium (Cnidaria: Octocorallia: Scleralcyonacea: Coralliidae) Collected from Okinawa Island)。

水深860メートルから得られたサンゴ標本

海洋の中でも深海と呼ばれる領域は未知の世界として知られ、「地球最後のフロンティア」とも呼ばれています。

そんな深海では様々な調査が行われており、その中で未記載種が発見されることも少なくありません。2013年に沖縄美ら島財団が実施した深海調査では、同年11月10日に沖縄本島沖の水深860メートルから1点のサンゴ標本が得られています。

今回の研究では、このサンゴ標本について沖縄美ら島財団と東京大学による共同調査が行われました。

琉球に因み<リュウキュウサンゴ>と命名

調査の結果、このサンゴは筒状に伸長するポリプを持つ特徴があることに加え、遺伝子による分析からもミゾサンゴ属 Hemicorallium属の1種であることが明らかになりました。

このミゾサンゴ属 Hemicorallium属は近年、新種がいくつか発見されているグループであり、2021年には、天皇海山海域から得られた標本を調査し3種を新種記載。2023年には磐城海山からミゾサンゴ属の1種を新種記載し、メラボシサンゴと命名しています。

リュウキュウサンゴ(提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団)

今回調査された沖縄本島沖のミゾサンゴ属は、「共肉とポリプの色」「組織内の骨片の形や大きさ」「一平面上に規則的に広がった枝の分岐」がこれまで知られていたミゾサンゴ属のどの種とも異なっており、このサンゴ標本が未記載種であることが判明。このたび公開された論文で新種記載されました。

本種が発見されたのは沖縄本島東海岸沖の水深860メートルの深海。整った枝ぶりと赤い色が美しい本種は発見された地域の「琉球」に因みリュウキュウサンゴ Hemicorallium ryukyuense の学名と和名が提唱されています。

サンゴ

今回の研究により沖縄本島沖から採集されたミゾサンゴ属の1種が新種記載され、Hemicorallium ryukyuense リュウキュウサンゴと命名されました。

地球最後のフロンティとも呼ばれる深海にはまだまだ多くの未記載種がいると言われています。今後の研究でどのような新種の深海生物が発見されるのか楽しみですね。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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