夏になると気温も高まり、休みの日にはどこか涼しい場所へ行く人も多いと思います。
その行先の候補として真っ先に挙がる場所は「海」でしょう。しかし、そんな人気レジャー場所である海には、注意しなければいけない生物がいくつか存在します。
その一つが浅場の砂浜でよく見られるアカエイです。
エイはサメの仲間
エイは淡水域から深海にかけて見られるグループで、日本のみならず世界中に多種多様なエイが生息しています。
種によっては食用として重宝されているほか、淡水性のエイは観賞魚として流通することも珍しくありません。

そんなエイですが、実はサメの仲間ということを知っていますか。
というのも、エイはサメ・ギンザメと同じく「軟骨魚類」に分類される魚類で、さらにサメとエイは「板鰓亜鋼」というグループに属し、ギンザメは「全頭亜鋼」に分類されます。
浅瀬にいるアカエイに注意!
エイの中でも暖かい時期になると、時々、ニュースで取り上げられるエイがいます。
それがアカエイです。このエイはアカエイ科に分類される魚で、日本の本科魚類の中では最もよく見られるといっても過言ではないありません。
そんなアカエイですが、普通種であると同時に注意が必要な種でもあります。
尾部に備わった毒棘
アカエイに注意が必要な理由は尾部に備わっている毒針。
アカエイがもつ毒はタンパク質性の毒であり、細胞を破壊し激しい痛みが伴うほか、細胞破壊や血管収縮を引き起こす毒成分を有するともいわれています。

また、アカエイは時に砂地に潜むため、上から姿を識別するのは困難です。誤って踏んでしまい毒棘に刺されてしまう可能性があります。
万が一、刺されてしまった場合はすぐさま病院へ行き、医師の指示に従いましょう。
なお、オンラインで公開されている医学事典「MSDマニュアル」によると、アカエイ科に刺された場合、「痛みが6時間から48時間で消えていく」とされています。
気にしすぎはある種の毒
こうした有毒生物の話を聞くと、中には山や海など自然のある場所に遊びに行かなくなってしまう人もいると思います。しかし、せっかくの楽しみを自ら無くしてしまうのはあまりに勿体ないです。
水辺は事故やその他の不測の事態も考えられますが、気にしすぎこともある種の“毒”。細心の注意を払いながらも、思いっきり遊びましょう。
(サカナトライター:東ガイ)
参考文献
MSDマニュアル プロフェッショナル版:アカエイによる刺傷