兵庫ベンダ工業株式会社の海洋水産技術研究所は9月12日、沖縄県宮古島市に「KAIKENのチイサナ水族館」をオープンすることを発表しました。宮古島に水族館ができるのは初めてとのことです。
国内外から注目を集める観光地・宮古島ですが、観光客の増加に伴い、自然環境や生態系への影響が深刻化。サンゴ礁の踏み荒らしや海洋ごみの増加、希少な動植物の生息地の破壊などにより、宮古島本来の自然が失われつつあるのだといいます。

宮古島市は2008年、エコアイランド宮古島を宣言し、環境保全を推進。一方、地元からは「身近に宮古島の自然や環境について学べる場を作ってほしい」と相談があったといい、海洋水産技術研究所(KAIKEN)は高知県にある桂浜水族館の協力のもと、宮古島初となる水族館のオープンが実現しました。
宮古島の生きものを通して自然へ親しむ
KAIKENのチイサナ水族館では、宮古島に生息する生きものを中心に50種以上を展示。3つのエリアを通して、生きものとの距離が近く、自然への興味や親しみが深まる空間を構成しているといいます。

いきものラボエリア
<いきものラボエリア>は、藻場の保全の重要性や地球温暖化によるサンゴの白化現象など、宮古島を取り巻くさまざまな環境問題について学べるエリア。
展示パネルを通して自然と人との関わりについて考えられるほか、水槽を間近に観察できる空間となっているので、生きものたちの動きをよりリアルに感じられます。
しぜん体感エリア
実際に生きものに触れられる「ふれあい体験」や、生きものが発する音などを聴ける「音の体験」など、五感を通じて生きものの魅力を感じることができるのが<しぜん体感エリア>です。
生きものたちが「生きている」ことを、改めて実感できる空間・体験を提供します。
うみカフェエリア
<うみカフェエリア>は、宮古島周辺の豊かな海を再現した大型水槽が中心となるエリア。水槽を眺めながら軽食やドリンクを楽しめます。
水族館ならではの体験コンテンツも

飼育員の視点を楽しめる「君もチイサナ飼育員(餌あげ体験)」では、水族館で飼育されているさまざまな生きものに餌をあげ、その餌を食べている様子を目の前で観察することが可能です。
また、「水族館のチイサナ裏側(バックヤードツアー)」では、水族館の裏側を公開。表にはでていない生きものや、海でも出会うことの少ない貴重な生きものを観察できます。
宮古島の自然を守る観光に
宮古島の生きものや自然について学び、環境保全を意識するための施設が誕生しました。壮大な自然に触れる気持ちよさを改めて知ることができそうです。
詳しくは、海洋水産技術研究所が運営する『KAIKENのチイサナ水族館』公式ホームページで確認できます。
※2025年9月3日時点の情報です。
(サカナト編集部)