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瀬戸内海の春の風物詩・イカナゴ 播磨灘の漁が1日で打ち切られた理由

先日、播磨灘で行われたイカナゴ漁が1日で終了し、ニュースになりました(播磨灘のイカナゴ漁解禁初日で打ち切り 水揚げ記録的に少なくーNHK)。

なぜイカナゴ漁がたった1日で終わってしまったのでしょうか?

イカナゴは瀬戸内海の春の風物詩

イカナゴの稚魚(提供:PhotoAC)

イカナゴはスズキ目イカナゴ科の体長25センチ程の海水魚で、日本の沿岸に広く分布しています。2024年3月現在、日本のイカナゴ科は8種が知られ、このうちイカナゴは水産上重要な種。

瀬戸内海、伊勢湾、東北、北海道などではイカナゴを狙った漁業が行われており、瀬戸内海のイカナゴは春の風物詩です。毎年、春になると大阪湾播磨灘でイカナゴ漁が始まり、港はもちろんのこと魚屋はイカナゴを買い求める人々で賑わいます。

イカナゴを使った郷土料理

イカナゴのくぎ煮(提供:PhotoAC)

イカナゴは日本の食文化に欠かせない魚で、イカナゴを使ったで郷土料理は少なくありません。

いかなご魚醤は魚醤の一種であり、しょっつるいしると合わせて「日本三大魚醤」と言われています。かつて、イカナゴの産地で作られていた特産品ですが、現代では見られてなくってしまった幻の魚醤です。

イカナゴのくぎ煮はイカナゴの稚魚の佃煮にした料理で、その様子が錆びた釘にみえることからこの名が付きました。「農産漁村の郷土料理百選」にも選定されている瀬戸内海沿岸の郷土料理で、全国的に有名ですね。

播磨灘のイカナゴ漁がわずかか1日で打ち切り

そんなイカナゴですが近年は不漁が続いており、兵庫県のイカナゴの漁獲量は平成14年までは3万トン~1.5万トンだったのに対して、平成15年以降、1万トン、平成29年以降は2000トンを下回っています(いかなご漁について-兵庫県)。

今年のシンコ漁は去年より5日遅い2024年3月9日に解禁される予定でしたが、同月7日に悪天候により解禁日を11日に変更することが決定。これによりイカナゴ漁は去年よりも7日遅い11日が解禁となりました(9日解禁のイカナゴのシンコ漁、11日に延期 播磨灘-神戸新聞NEXT)。

3月11日の10時半頃に行われた水揚げでは、500キロと非常に少なく、6800円/キロと過去最高値が付きました。記録的な不漁を受け、地元の漁業者たちは今季の漁を1日で打ち切ることを決定。先月、大阪湾でのイカナゴ漁が漁業者により自主休漁されたことは記憶に新しく、播磨灘での漁もわずか1日での打ち切りとなってしまいました。

イカナゴの不漁の原因は、はっきりとしていないものの、兵庫県の水産技術センターによるとプランクトン不足海水温の上昇が原因ではないかとされているようです。また海水温の上昇により大型魚が留まり、イカナゴを捕食している可能性もあるとしています。

瀬戸内海の春の風物詩であるイカナゴでしたが、近年の不漁を受け、くぎ煮も高級品となりつつあります。イカナゴの食文化がこの先も残ることを願うばかりです。

(サカナト編集部)

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