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ケムシカジカを捌く

ケムシカジカはいかつい見た目をしていますが、体表は硬くはなく、包丁と調理用ハサミで容易にさばくことができます。

先述の通り、ケムシカジカの体表は微細な棘を有する小瘤状突起に覆われるという特徴をもっていますので、アンコウなどのように皮を食べることはしません。皮を引いてぶつ切りにするというのが一般的です。

ケムシカジカをさばくならまずは頭部を落とす(撮影:椎名まさと)

まずは頭と内臓を落としますが、内臓のうちオレンジ色の肝臓はとても美味しいため、絶対に捨ててはいけません。汁物にする際は特に注意しましょう。

他に、消化管についても食用にすることができます。

このくらいまで除去すればOK(撮影:椎名まさと)

頭にも身はしっかりとついているので汁物に入れたいところですが、頭も汁物に入れる場合は頬部などについている小瘤状突起を皮ごと除去します。

下顎から垂れ下がっている細長いものは「皮弁」と呼ばれるもので、皮膚が変化したもので取り除かなくても問題ありません。

ケムシカジカの皮を剥ぐ(撮影:椎名まさと)

ケムシカジカの頭部はごつごつしているので、頭がついていると抑えるのがちょっと面倒です。そのためあらかじめ包丁で頭を落とした後のほうがうまく皮をはぐことができるでしょう。

先に皮膚をちょっとつまんで、そこに切り目を入れてから剥ぐとうまく皮がはげるかもしれません。片手で抑えてもう片方の手で皮を強く引っ張ると、皮がはがれます。

皮をはぐと灰色の身が現れます。この後、次の写真までに包丁で各鰭を落としています。

皮を引いて鰭を取り除いた状態(撮影:椎名まさと)

あとはぶつ切りにして湯の中に入れて、鍋物や汁物にして完成です。

ケムシカジカを食べる

ケムシカジカの味噌汁が完成しました。

身は味がしっかりのって美味しく、臭みもなく、肝は小さいものの味は濃厚でした。その一方で、消化管についてはあまり味は感じられませんでした。

量としては全長30センチほどの個体が1匹いれば、大人3人で十分食べられる感じです。

ケムシカジカの味噌汁(撮影:椎名まさと)

ケムシカジカのその見た目はあまりよろしくなく、むしろグロテスクで気持ち悪いとおっしゃり敬遠する人もいると聞きます。しかし、ぜひ手に取って食べてみてほしいと思います。

ケムシカジカを入手するには……

ケムシカジカを入手するのであれば、北海道や東北地方、あるいは関東・関西のような大都市圏であれば入手しやすいと思います。

ケムシカジカは北日本に多いものの、太平洋岸は千葉県銚子付近、日本海岸では対馬海峡付近にまで分布しているとされるため、多くの地域で入手できるチャンスがあるといえそうです。

友人に送ってもらったケムシカジカ(北海道羅臼)(撮影:椎名まさと)

参考までに、筆者はこれまでに名古屋市内にある柳橋中央市場で購入したり、北海道在住の友人に送ってもらったり、産地直送通販を利用して購入したりして入手しています。

なお、ケムシカジカを購入できたならば、なるべく早く捌いて食べることをおすすめします。というのも、この仲間は大食いで、消化器官内に未消化の餌があると、そこで腐ってしまい、魚自体にもにおいがうつってしまうことがあるためです。

漁法としては底曳網漁業、延縄、あるいは釣りなどで獲れるのですが、延縄や釣りで獲れたものは餌が消化器官の中に残ってしまうこともあるようです。

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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