みなさん、シャコは好きですか?
寿司ネタにもなるシャコはとても美味しい甲殻類です。
この記事では、岡山の名物・シャコについて、生態や岡山人の食べ方などを紹介します。
シャコは獰猛な甲殻類
シャコの学名はOratosquilla oratoriaです。漢字で書くと「蝦蛄」ですが、ゆでるとシャクナゲの花のような色になること、捕まえると癇癪(かんしゃく)を起こしたように暴れることなどから、この名前がつけられました。
全長は15センチほどで、巨大な第二歩脚は鎌状になっており、二枚貝の貝殻を“シャコパンチ”で破壊して身を食べます。とても獰猛な性格で、とにかくシャコパンチ!
北海道から九州沿岸の砂地や泥地に穴を掘って生息し、貝類や小魚、イソメ類などを食べます。私が中学生のころまでは、よく海の投げ釣りでも釣れたのですが、今は漁師さんでもあまり獲れなくて残念な状況です。
釣れると嬉しいのですが、針はずしの際に必ずシャコパンチで負傷させられるため、複雑な気持ちになったのが懐かしい。
シャコにはいくつかの種類がいる
シャコには近縁種がいくつかあります。
色味も生息地によって多少変化するので、似てるようで違ったり、違っているようで同じだったりと、まだ未同定のものも多いです。
有名な種といえば、モンハナシャコ。ド派手な衣をまとった姿はマタドールのようで、獲物を狙いすまして、得意のシャコパンチで撃退します。
シャコは食用としても親しまれている
シャコがよく獲れる岡山県笠岡市には、シャコ料理を提供するお店、その名も「しゃこ丼の店」があります。
読売テレビ・日本テレビ系『秘密のケンミンSHOW』でも紹介され、私も10年ほど前に訪れて食べたのですが、シャコ好きにはたまらないお店でした。
特に、シャコ酢は絶妙な味付けでほっぺが落ちました。寿司ネタでも大人気なので、酢が一番合うのでしょうね。
先日、久しぶりに訪れてみると、「シャコがないので臨時休業」という手書きの張り紙がしてありました。運が悪かったのか、それともそれほどに国産や地元産のシャコが獲れなくなったということでしょうか……。
岡山県民はシャコむき名人!?
子どもの頃は、夕飯にザルいっぱいの茹でシャコを家族でムシャムシャ食べるのが楽しみでした。
トゲが多く、「痛っ……」と言いながらハサミで殻の側面を切って頭を外し、しっぽの殻を抜き、ぷりんと身を取り出して食べる至福の時間。卵を抱えるメスに当たると最高!
今はもうこんな食べ方はできないので、超贅沢な時代でした。「岡山では妙齢の人は他県民より素早くシャコを剥くことができる」と『秘密のケンミンSHOW』でも紹介されていましたね。
またいつの日か、シャコがたくさん獲れるようになればいいなと思います。海水温の上昇や潮の流れ、乱獲、生態系の乱れ、生息域の減少など色々な原因が複雑に絡み合った結果なので期待はできませんが、夢ということで……。
お土産にシャコ入りの蒲鉾や天ぷらはいかが?
しゃこ丼の店が閉まっているときは、迷わず「笠岡ベイファーム」へ行ってみましょう!
笠岡の道の駅である「笠岡ベイファーム」では、シャコ入りの蒲鉾「しゃこ真丈」や運が良ければ生きたシャコ、珍しいゆで穴ジャコなども販売しています。どれも美味しいですよ!
なお、笠岡の青佐鼻海岸では、5〜7月に穴ジャコ釣り(掘り?)ができます。クセはありますが、天ぷらなどにすると美味しいです。
笠岡には世界で唯一のカブトガニ博物館もあります。ぜひ、笠岡へお越しくださいね。
(サカナトライター:額田善之)