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熊野灘の深海から発見!<カンカイオニナナフシ科>の等脚類が新種記載される【三重県】

甲殻類の1グループである「等脚類」。

この等脚類には身近なダンゴムシから深海生物でお馴染みのダイオウグソクムシまで、多種多様な種が含まれています。

少し変わった形をしたカンカイオニナナフシ科も、このグループの一員です。

カンカイオニナナフシ科は世界で17属105種が知られているものの、多くは南極や北極などの地域の深海に生息。中でもLitarcturus属における日本周辺海域からの報告は限られています。

そうした中で、京都大学理学研究科の奥村由純 氏らの研究グループは、三重県熊野灘から得られたカンカイオニナナフシ科の1種を精査本標本が未記載種であることを明らかにし、新種として記載しました。

この研究成果は「Zootaxa」に掲載されています(論文タイトル:A new species of Litarcturus Brandt, 1990 (Crustacea: Isopoda: Valvifera: Antarcturidae) from central Japan)。

陸上から深海にまで暮らす等脚類

等脚類(とうきゃくるい)は甲殻類の1グループです。

フナムシ(提供:PhotoAC)

このグループは陸上、深海、淡水域に進出しており、比較的身近な生物であるダンゴムシやフナムシ、深海生物でお馴染みのダイオウグソクムシなど多種多様な生物が含まれています。

また、等脚類の中にはタイノエやサヨリヤドリムシなどの寄生生活に適した種も少なくありません。

日本では珍しいカンカイオニナナフシ科

等脚類の中にオニナナフシという変わった形態の生物がいます。彼らは前脚に備えた長い刺毛で、海中の有機物をからめとり、それを食べることで栄養を得ていると考えられています。

また、カンカイオニナナフシ科は、これまでに17属105種が知られているものの、そのほとんどが南極や北極といった寒い地域の深海に生息しているようです。中でもLitarcturus属は主に南半球から知れており、日本沿岸からは1種しか記録がありませんでした。

そのため、日本におけるカンカイオニナナフシ科の分類学的研究は進んでいなかったのです。

熊野灘の標本を新種として記載

研究グループは、2023年に三重県熊野灘の水深765~768メートルの深海か得られたカンカイオニナナフシ科について、解剖学的な形質の精査を行いました。

熊野灘(提供:PhotoAC)

その結果、得られた標本は頭部に2本の長い眼上棘があること、体全体の棘は第1触角の第2柄節と第3柄節の長さがほぼ同じであることなどの形質から、Litarcturus属の未記載種であることが明らかに。

本種は採集地である熊野灘に因み、Litarcturus kumanoensis (和名:クマノオニナナフシ)と命名されました。

種多様性が過小評価されている可能性も

今回の研究によって、熊野灘の深海から得られたLitarcturus属が新種記載され、採集地に因み Litarcturus kumanoensis と命名されました。

このグループは主に南半球から見つかっているものの、実際の地理的分布は不明とのこと。また、カンカイオニナナフシ科は深場に生息することに加え、体が脆いことから調査でも見落とされていた可能性があるといいます。

本科の種多様性が過小評価されている可能性があるとし、研究グループは今後も乗船調査により、未解明の多様性を明らかにしたいとしています。

(サカナト編集部)

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