カゴカキダイという魚は体が黄色っぽく、体側に黒い縦帯が数本入る美しい色彩の魚です。しかしながら熱帯魚ではなく温帯に生息する磯魚で、食しても美味しい魚としても知られています。
今回はそんなカゴカキダイをご紹介します。
カゴカキダイってどんな魚?
カゴカキダイ(学名Microcanthus strigatus)はスズキ目カゴカキダイ科カゴカキダイ属に含まれる魚です。体は全体的に黄色で、体側に数本の暗色縦帯が入るという綺麗な模様をしています。
見た目はチョウチョウウオの仲間のようにも見え、実際に大昔にはチョウチョウウオ科とされたこともありますが、チョウチョウウオと異なりトリクティス期(チョウチョウウオ科の稚魚・幼魚、長いトサカが目印)を経ないなどの違いがあり、別の仲間とされます。
熱帯魚に見えるカゴカキダイ
カゴカキダイ科の魚はいずれも「熱帯魚」というよりは温帯から亜熱帯に生息する仲間といえます。日本においては積丹半島以南の日本各地に分布し、沖縄でも見ることができます。
海外では朝鮮半島や台湾、香港、オーストラリア西部、ハワイ諸島など広い範囲にいますが、日本とオーストラリアの間にあるフィリピンやインドネシアなどには少ないか、分布していないようです。
浅い海に見られ、幼魚はよくタイドプールでも見られますが、水深100メートル以深からも底曳網漁業により漁獲されます。非常に広い範囲に生息している魚といえるでしょう。
単独でも見られますが群れを作っていることも多く、漁港などで数10匹の群れを作っていることもあります。高知県など南日本で釣りをしていると、何個体か続けて釣れることもあります。
カゴカキダイは何の仲間?
以前はチョウチョウウオに近い仲間とされていたらしく、大昔の図鑑の多くではチョウチョウウオ科に近いところに置かれていましたが、現在ではチョウチョウウオ科とは縁が遠いものと考えられています。
イスズミ科に近いものとされ、かつてはメジナやタカベなどとともにイスズミ科の中に含められてきましたが、現在は独立したカゴカキダイ科とされることが多いです。
カゴカキダイ属は従来は1種とされていましたが、近年オーストラリア東部に生息するものは別種とされ、Microcanthus joyceaeという種が復活し2種となっています。他にも何種かがオーストラリア近海を中心に分布しており、それらは観賞魚として日本にも輸入されることがあります。
日本のカゴカキダイも美しい色彩で観賞魚として飼育されることもありますが、大きい個体は性格がきつくなり、サンゴ水槽ではサンゴを捕食することもあり、また水槽内でも10センチくらいにはなるため水槽も大きめのものが必要になるなど、飼育には注意点がいくつかあります。
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