不思議な海の甲殻類、ワレカラ。皆さんはご存知でしょうか。
実はこのワレカラという生き物、意外と簡単に見つけることが出来ます。今回はそんなワレカラの探し方や、日本で身近に見ることが出来るワレカラ種についてご紹介します。
ワレカラとは? 見つけ方や観察方法
ワレカラは海藻や岩の上、フジツボなどほかの動物の上、浮きについたロープの上などの基質上に乗っています。もし観察ケース等を持っていたら採集してみましょう。
ワレカラは遊泳力に乏しいため、基質から離れて逃げることはあまりありません。離れたとしてもほとんど泳げないため、簡単に捕まえられます。
基質にしがみつく力は荒波にも耐えられるくらい強く、無理にひっぺがすと彼らを傷つけてしまいます。海藻の上に乗っているなら海藻ごと切り取って観察するのが一番負担がかかりません。
また彼らは非常に酸欠になりやすく、長時間観察ケースに入れたままにしているとすぐに死んでしまいます。観察が終わったら速やかに海へ逃がしてやり、もし長めに観察するのであれば適宜水換えをしてやったり、携帯用エアーポンプで酸素を供給してあげてください。
ワレカラの構造
ワレカラの身体は「胸節」とあるように、なんと身体のほとんどが胸で出来ており、腹部はほぼ退化しています。エラは第3、4胸節から生えています。
ワレカラの主な種類
日本には約100種類以上のワレカラが生息していると言われています。
中でも比較的メジャーかつよく見られるワレカラ種をご紹介します。今後更に種類が増えたり名前や分類方法が変わる可能性もありますので、ご了承ください。
トゲワレカラ
個人的に“The・ワレカラ”といえばトゲワレカラ。体長2センチメートル程です。
頭部の上に尖った突起があり、第5胸節に2対(4本)の小さな突起があります。時折、水族館の海藻などにも紛れ込んでいます。
後述するマルエラワレカラと共に、SNSでよく見かけるのはトゲワレカラであることが多いです。
トゲワレカラモドキ
トゲワレカラモドキはトゲワレカラにそっくりですが、第5胸節の突起が1対(2本)しかないことで見分けられます。
かつて「ネオカリフォルニアワレカラ」というすっごくカッコイイ名前がついていましたが、カリフォルニアワレカラという種が別に存在し、紛らわしいためその後「モドキ」という名前をつけられてしまいました。
トゲワレカラよりは少しレア……だと思うので、見つけたら「モドキか……」とか言わずに喜びましょう。
マルエラワレカラ
比較的身体が太く、その名の通りエラが丸いのでマルエラワレカラ。頭の上の突起が上向きではなく前向きになっています。
トゲワレカラと共に、SNSでよく見かけます。特にワカメに紛れてお味噌汁などに入っている写真を見かけますね。
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