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【伊豆ダイビング紀行】西伊豆の海で観察できた生き物たち 大きな魚群から小さなエビまで

伊豆」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

温泉や海鮮料理、夕陽などの風景も有名ですよね。しかしサカナ好きの私たちからすると、伊豆は至高のダイビングスポットなのです。

今回は筆者が約1年ぶりに伊豆の海に潜って出会った生き物たちや、それらを通したダイビングの楽しさをご紹介します。

多様なサカナたちが潜む伊豆の海

伊豆は日本にあるダイビングスポットの中でも、一番と言っていいほど有名な場所です。

魚影が濃い(魚がたくさんいること)のはもちろん、多様な環境や地形を兼ね備えていることから人気となっています。今回、筆者が潜ったのは西伊豆、正確には沼津です。

西伊豆は日本一深い海である駿河湾に面しており、元々の魚影の濃さに加えて、冬季は水温が低下するため、様々な深海魚を浅場で観察することができます。

ご無沙汰のダイビングへ

筆者は大学生の頃、およそ月1回のペースでダイビングをしていましたが、最近はすっかりご無沙汰で約1年以上のブランクがありました。そんなこともあり少し不安でしたが、ダイビング器材のセッティングはしっかり覚えており、スムーズにできました。

しかし、「よし、これなら問題なく潜れるだろう!」と思い意気揚々と潜ると、凄まじい激流に見舞われました。偶然にも潮の流れが速い時間帯に当たってしまったらしく、どれだけフィン(足ヒレ)をキックしても全く進まず……。

アカオビハナダイの求愛ダンス

早速出鼻をくじかれましたが、その後は特に何事もなくスムーズにダイビングを楽しむことができました。朝1本目を潜った際に観察できた目玉の生き物はアカオビハナダイです。

アカオビハナダイのオス(撮影:みのり)

こんな見た目ですが、ハタの仲間です。

アカオビハナダイのオスはこの時期の早朝(潜ったのは9月。繁殖行動は6〜10月まで見られるそうです)にメスへ求愛行動(求愛ダンス)を行います。

まさに花びらが舞うかのように、婚姻色ギラギラのオスがメスに向かって舞い踊ります。

アカオビハナダイの大群(撮影:みのり)

今回、筆者は偶然にもその光景に遭遇し、貴重なアカオビハナダイの“舞”を観察することが出来ました。

マクロな生き物たち

久しぶりの伊豆ダイビングでしたが、やはり魚影の濃さに驚かされます。

ビゼンクラゲ アジの幼魚等が隠れ蓑にすることも(撮影:みのり)

水族館などでよく見られる生き物はもちろん、岩の裏などにはよく観察しないと見つからない生き物もいます。

シラコダイ チョウチョウウオの仲間(撮影:みのり)

岩や海藻に限らず、“生き物にすむ生き物”もいます。

例えば、ゼブラガニラッパウニという毒を持つウニの棘の中に潜んでいます。

ゼブラガニ(撮影:みのり)

ゼブラガニはウニの棘や管足を刈り取ってそこに隠れているため、棘や管足の剥げているラッパウニを探すと見つけやすいです。

また、イソギンチャクモエビの仲間はその名の通り、イソギンチャクの触手に隠れて暮らします。

イソギンチャクモエビの仲間(撮影:みのり)

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

北里大学海洋生命科学部卒・元水族館飼育員。魚類・クラゲはもちろん、イルカの飼育も担当。非常に多趣味で、生き物観察やフィールドワークはもちろん、映画や読書、ゲームも好き。多趣味ゆえの独自の視点、飼育員視点を交えつつ、水生生物やそれを取り巻く自然環境、文化、水族館の魅力を発信していきます。

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