夏になると、ニュースで注意喚起がされる青い生物といえば、なんでしょうか?
そう、カツオノエボシです。
皆さん、カツオノエボシについてどれくらい知っていますか。海で出会ってパニックにならないためにも、正しい知識をつけておきましょう。
カツオノエボシとは
カツオノエボシは、春から秋にかけて日本各地の沿岸に漂流される鮮やかな青色をした餃子のようなかたちの物体です。見かけはビニールのように透き通った青色がとても美しく、宝石を見つけたかのように高揚しますが、実際には猛毒をもった危険生物なのです。
カツオノエボシはクダクラゲ目カツオノエボシ科に属されるクラゲの一種で、浮き袋が烏帽子(えぼし)に似ていることからその名が付いたそう(餃子のほうがしっくりくるような気もしますが……)。泳ぐ力はなく、ただ水面付近を漂います。
刺されると強烈な痛みがあり赤い跡やミミズ腫れになることから「電気クラゲ」とも呼ばれています。二度目に刺されるとアナフィラキシーショックを起こし死に至る場合もあるため、本当に危険な生物なのです。
仮に浜に打ち付けられたものだとしても、触れてしまうと反応して毒を発射することもありますので、美しいからと言って安易に触れてはいけません。
カツオノエボシの体の構造とは
カツオノエボシは他のクラゲとは違い、ヒドロ虫という個虫がたくさん集まって形成された群体なのです。その美しい見た目からは想像がつきませんよね。
餃子のような部分は直径10cm程、その下には1mに達する多数の細長い触手が垂れ下がっており、小魚や海老を口から食べます。触手には猛毒の刺胞があり、微小な毒針が対象物に自動的に発射されるのです。
体の構造は大きく分けて次のように分類されます。
(1)気胞体:浮き袋の役割で中には一酸化炭素、酸素、アルゴンなどのガスが詰まっている
(2)栄養個虫:餌を取り込んで消化し体に栄養を送る
(3)生殖個虫:子孫を残す役割
(4)感触体:餌になる小魚などを捕まえる
1
2