あざやかな黄色の体色が美しい「キイロハギ」という魚を知っていますか?
この記事ではキイロハギの特徴や生態、キイロハギによく似た魚・ゴマハギとの見分け方などについて解説します。
キイロハギってどんな魚?
キイロハギは、スズキ目ニザダイ科に分類される海水魚。ハワイ諸島を中心に、中西部太平洋のサンゴ礁域に広く生息しています。
成魚の体長は、通常15〜20センチほど。草食性で、とがった口を伸ばすようにして、サンゴ礁や岩の表面に生える藻類を食べています。
キイロハギは平たいディスク状の体型をしており、体高が高く、大きな背びれと尻びれが特徴です。
また、尾びれの付け根には防御の役割をする鋭いトゲをもっています。外敵に攻撃する際は、このトゲをうまく使うため、相手に体をすり寄せるような体勢をとるのだそう。
そして、キイロハギはその名の通りパッと目をひくようなあざやかな黄色の体色をもつことで知られています。
この体色は若魚から成魚まで一貫して同じで、美しい発色の魚を好む熱帯魚ファンのあいだでは特に人気が高いのだそう。主に英語圏において、「イエロー・タン」という別名でよばれることもあります。
キイロハギとゴマハギの見分け方は?
キイロハギと同じくスズキ目ニザダイ科に分類される魚「ゴマハギ」は、キイロハギにそっくりの外見をもつことで知られています。それでは、キイロハギとゴマハギを見分ける方法はあるのでしょうか。
体色の違い
キイロハギとゴマハギを見分ける際は、まず体色の違いに注目しましょう。
全身が一様に黄色いキイロハギに対し、ゴマハギは灰色から黒色の暗めの体色をしており、ところどころに白っぽい斑点があります。また、ゴマハギのひれには青みがかった美しい縁どりが見られることも、両者を見分けるポイントの一つです。
目の色で見分けられる
ただ、ゴマハギの中にはかなり黄色みの強い体色をもつ種類も存在します。黄色っぽい体色をしたゴマハギの体色は、キイロハギとほとんど変わりません。その場合は、体色ではなく目の色に注目してみてください。
目の周りまで一貫して黄色味の強いキイロハギに対し、ゴマハギの目の色は褐色です。また、目の周りの色合いも、キイロハギにくらべると深く濁ってみえることが多いといわれています。
観賞魚としてのキイロハギ
目にあざやかな黄色の体色と丸っこい独特のシルエットが可愛いと評判のキイロハギは、観賞魚としても注目されています。
活発に泳ぎ回る性質をもつので、自宅で飼育する場合は全長60センチ以上の広めの水槽を用意することをおすすめします。快適な環境のもとで、そのはなやかな色合いとユニークな姿を楽しんでくださいね。
(サカナトライター:糸野旬)