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日本の<魚食文化>の歴史 保存方法や調理法の進化が紡ぐ先人たちの想い

日本で昔から魚食文化が盛んだったことは、日本で生活していると何となく感じると思います。

しかし現代では魚を食べる人が減り、洋食文化が日本にも根付いてきています。魚が食べたいという子どもよりも、ハンバーグやオムライスなどを食べたいという子どもの方が多いかもしれません。

筆者は旅行に行くことが好きで、国内の様々なところに出かけます。そこで地元ならではの食べ物を追求すると、やはり先人の知恵の詰まった和食文化・魚食文化の魅力を再確認するのです。

では、魚食文化はどのような歴史をたどってきたのでしょうか。

魚食文化は「縄文時代」から始まった

日本の魚食文化は、確認される最も古いもので縄文時代から始まったとされています。

縄文時代の遺跡からは貝殻や魚の骨などがたくさん見つかっており、食文化として根付いていたと考えられています。

貝塚のイメージ(提供:PhotoAC)

縄文時代の魚の調理法は、土器を使って煮る・蒸す・焼くという方法が一般的だったよう。現代のような調味料もないため、シンプルな味付けだったようです。

この頃から、保存方法として干物にする技術があったのではないかと言われています。

魚の保存技術の発達

魚のような生物は傷むのが早く、冬までに保存がきかず、輸送に不向きな魚は昔からその保存方法が考えられてきました。

魚の保存方法が大きく発展したのは奈良時代からと言われています。奈良時代には、塩漬けによって魚の水分を飛ばす保存方法が発展します。

新巻鮭(提供:PhotoAC)

しかしまだ、都まで新鮮な魚を運ぶ技術はありませんでした。平安時代になると、都への魚の物流も増えてきましたが、そのころは燻製が一般的だったようです。

平安時代の魚食文化は、現代の魚食文化の原点とも呼ばれるほど発展していったようです。

寿司やてんぷらの誕生

そして、現代の魚食文化に最も近くなった時代が江戸時代です。

この時代には、味噌や醤油などの調味料を使った料理も多くなりました。江戸時代に寿司やてんぷらといった現代でも食べられる料理が誕生します。

寿司(提供:PhotoAC)

しかし生魚は傷むのが早いため、食べられるのはお金を持った一部の者しか食べられなかったといいます。

現代のように誰でも生魚を気軽に食べられるようになったのは、高度経済成長期による影響が大きいと考えられています。そう、魚食が今のように私たちの生活と紐づいたのは意外と最近なのです。

現代で抱える魚食離れ

昔からお祝い事に出されるなど親しまれてきた魚料理ですが、現代では若者を中心に魚食離れが叫ばれています。その背景には、物流の発達とファストフードなどの洋食文化が影響しているとされています。

魚食の歴史を紐解くと、保存方法や調理法の進化によって発展してきたことが分かります。そして、先人たちの魚食への想い、食への執念が感じられ、「食べること」が「生きること」へと繋がっていったことが伝わってきます。

旅行など普段はあまり行かない場所でご当地の魚食文化に目を向けると、そこには先人の知恵が詰まっています。新しい発見が、より楽しい旅にしてくれるかもしれませんよ。

(サカナトライター:nasu阿部)

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nasu阿部

趣味で日本国内の旅行に行くことが好きです。 旅行の先々で水族館に行くことで徐々に海の世界に対して魅力を感じるようになりました。 日本の水族館には、そこにしかにない魅力に溢れていて生き物の魅力を最大限に見せてくれます。 そこで得た魅力を伝えることでこの思いが受け継がれえることで海の生き物が生きやすい環境を守れればと考えております。

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