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オーストラリアの有名観光地で偶然<コガタペンギン>を観察できた話 南半球でしか見られない野生の姿とは?

現存する18種のペンギンのうち17種が南半球に生息していますが、そのうちオーストラリアで観察できるのが、ペンギンの中で最も小さいコガタペンギンです。

オーストラリア南東部の街・メルボルンから日帰り旅行ができる場所に位置するフィリップ島では、コガタペンギンのパレードを間近に観察することができるツアーが人気となっています。

しかし今回、オーストラリアを観光で訪れた筆者と同行者は、少し変わった場所でコガタペンギンを観察することができました。

その場所とは、雄大な景色が人気な観光地「十二使徒(The twelve Apostles)」です。

ペンギンの中で最も小さいコガタペンギン

コガタペンギン(Eudyptula minor)は、ペンギン目ペンギン科コガタペンギン属に分類されるペンギン。フェアリーペンギンと呼ばれることもあります。

体長は約35〜45センチで、ペンギンの中で最も小さな種類です。

コガタペンギン(提供:PhotoAC)

明け方に海へ出て、日没後に陸に上がる習性があり、巣から長時間離れることはめったにないそう。

その習性から、コガタペンギンが生息するオーストラリア南部では比較的容易に観察することができます。メルボルンでは、タイミングが合えば街から路面電車で約20分ほどの場所で見られることもあるそうです。

グレートオーシャンロードを通ってメルボルンへ

12月初旬、夏が近いメルボルンの気温は28度ほど。夏の陽気を感じながらレンタカーを借りた私たちは、有名な観光地である「十二使徒」を目指して、午前11時にメルボルン市内を出発しました。

十二使徒は荒波で削られた崖と奇岩群で、オーストラリア大陸の自然を全身で感じられる観光名所です。

メルボルンから十二使徒までは「グレートオーシャンロード(Great Ocean Rord)」という、世界で1番美しいと言われる海岸道路を通って向かいました。

海沿いを走り続ける(提供:うえの かのん)

十二使徒は、どうやら日の入り前後、岩や崖が夕焼けに染まる瞬間が一番美しいのだとか。この時季、緯度が高いメルボルンの日の入りは20時半。休憩を挟みながら5時間ほど走り、19時半頃に到着しました。

到着すると、美しい景色が目の前に広がります。まさに日本では絶対に見ることのできない絶景! これは来た甲斐があります。

十二使徒の絶景!(撮影:うえの かのん)

どうやらコガタペンギンが観察できる……?

すぐに帰るのも惜しく、海を眺めながらふらふらと歩いていると、「Little Penguin」と書いてある看板を見つけました。よく読んでみると、コガタペンギンの群れが巣に戻ってくると書いてあります。

十二使徒でペンギンを観察するのはあまりメジャーではない(あるいは、ペンギンが遠すぎて観察スポットとしてあまり注目されていない?)ようで、調べてもあまり情報が出てきません。

看板やコガタペンギンの生態、インターネットで得られた数少ない情報を総合すると、コガタペンギンが帰ってくるのは日没後10分〜15分頃ということでした。そこで、ペンギンを見るために日没後まで待ってみることにしました。

コガタペンギンはフィリップ島でも観察可能

実は、メルボルンから近いフィリップ島は、コガタペンギンの観察ツアーが有名。ビジターセンターが設置されており、そこに用意された鑑賞席や観察小屋から巣に戻るペンギンを間近で見ることができます。

しかし、多くの人が近くで観察することでペンギン達に与えるストレスなどを考えると(もちろんその点は考慮されているとは思いますが)、あまり参加する気にならず、今回はツアーへの参加は見送っていたのでした。

そんな私にとって、コガタペンギンたちの邪魔をせず、遠くから彼らの姿を見ることができるのはまたとない機会です。

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