魚の生食は日本を代表する食文化の一つですが、意外にも魚を生食する地域は世界各国に存在します。
例えば台湾の刺身は日本と同様に「sashimi」と呼び、台南に位置する東港ではちょっとした名産です。
この記事では魚の生食文化がある国をご紹介します。
ヤクーツクのストロガニナ
凍った魚をそのまま食べる郷土料理をご存知でしょうか?
ストロガニナは非常に寒い地域として知られるサハ共和国の首都ヤクーツクの郷土料理で、丸々凍った魚をナイフで削っただけの非常にシンプルなもの。日本にある料理でいうとルイベのようなものです。薄く削った魚の身は鰹節のような形をしており、ヤクーツクの人々はこれを凍ったまま食べます。
ストロガニナは魚以外に肉で作られることもありますが、通常ストロガニナというと魚で作られたものを指します。またストロガニナには「Broad whitefish」というサケ科の魚が多く用いられるようです。
ハワイのポケ
ポケ(又はポキ)はハワイで食べられている生魚を使った伝統的な料理。異文化接触前から食べられており、先住民たちは魚に塩、海藻、すりつぶしたククイの実をすりこんだものをご馳走としていたそうです。
現代では醤油やごま油などの異文化の食材がハワイに伝わり、様々なバリエーションのポケを楽しむことができます。ポケはアメリカ本土でも食べられており、ご飯にポケを乗せたポケボウルは定番だそう。
ポケにはマグロやタコ、サーモンなどの魚が使われます。
韓国のフェ
隣国の韓国でも魚が生で食べられています。
韓国で刺身のことをフェと呼び、日本の刺身と異なるのは韓国は硬い刺身を好むことです。そのため、活きた魚を捌いたフェが韓国では人気があります。
韓国では様々な魚がフェで食べられていますが特に人気のある魚種がヒラメ、ソイ、タイ。他にもイシダイは日本と同様に高級魚として扱われています。
フェは活魚を使ったもの以外にも様々な種類があり、ホンオフェと呼ばれるガンギエイ類を発酵させた郷土料理は非常に臭い料理として有名です。
ペルーのセビーチェ
中南米に位置するペルーにも魚を生で調理した料理が存在します。
セビーチェはペルーやメキシコで食べられている魚料理で、生の魚や野菜を柑橘類の果汁でマリネしたものです。ペルーでは古来から伝わる伝統的な料理でもあります。
このように日本以外にも生魚を使った料理が各国に存在します。中には家庭でも手軽に作れるものもあるので、気になる人は挑戦してみましょう。
(サカナト編集部)