筆者が暮らすラトビアを含むバルト海沿岸の国々では、スプラット(Sprat、和名:ヨーロッパキビナゴ)はとても身近な小魚です。日本でいう「いわし」や「ししゃも」に近いサイズで、ラトビアでは燻製にしてオイルに漬けた缶詰が親しまれています。
お土産としても人気のこの缶詰は、いったいどんな味なのでしょうか。
「バルト海イワシ」とも呼ばれるスプラット
スプラットは、ニシン目ニシン科スプラット属に分類される小魚で、「ヨーロピアンスプラット」や「バルト海イワシ」とも呼ばれます。
本種は、北大西洋のバルト海、イギリス沿岸、地中海北部、黒海に広く分布する海水魚ですが、幅広い塩分濃度への耐性を持ち、平均塩分濃度が約0.7%のバルト海(世界の海の平均は約 3.5%)にも生息。体長は8cm〜12cmほどで、見た目は日本に生息するイワシやキビナゴに似ています。
大きな群れをつくり、冬の摂餌場と夏の繁殖場の間を季節ごとに回遊します。
また、魚粉や魚のエサに加工されるほか、食用としては缶詰、燻製・マリネ・揚げ物など、さまざまな形で食べられる重要な魚でもあるのです。
スプラットのオイル漬けを食べてみた
燻製スプラットのオイル漬けはさまざまなメーカーが出していますが、今回は老舗ブランドのひとつBrīvais vilnis (ブリーバイス ヴィルニス)を選びました。
スプラット缶詰(提供:Polo the Rat)缶を開けると、7cmくらいの小ぶりなスプラットが、ぎっしりときれいに並んでいます。
箸でつまむと、今にも崩れそうな柔らかさ。そのまま口にしてみると、身はふんわり柔らかく、骨はまったく気になりません。
缶詰内に並ぶスプラット(提供:Polo the Rat)塩味は控えめで、ふわっとした燻製の香りと魚の脂の甘さが混ざったやさしい味です。
日本のオイルサーディンよりも軽く、アンチョビよりもマイルドで親しみやすい印象を受けました。お酒のつまみとして人気なのも納得です。
ラトビア風に黒パンに乗せて
ラトビア人の食べ方を真似して、黒パンと組み合わせてみました。
黒パンにバターを塗って、スプラット、キュウリのピクルス、ディルを乗せます。それぞれ具材を乗せるだけで、立派な前菜のできあがり。
黒パンに乗せて(提供:Polo the Rat)口にしてみると、黒パンの酸味としっとりした食感が、魚のオイルを吸ってちょうどよく馴染みます。
とてもシンプルな組み合わせですが、旨味がさらに増している気がします。
日本人としては、魚とくれば白ごはんですよね。白ごはんとの相性もいい感じです。
スプラットは日本でも手に入る
このスプラットの缶詰は、最近は日本でも「スモークオイルサーディン」として販売されています。
手軽に食べられる高タンパク質食でもあるので、見つけたらぜひ一度試してみてください。
(サカナトライター:Polo the Rat)