ドキュメンタリー映画『サクラマスのラストワルツ』が、10月9日からアップリンク吉祥寺を皮切りに全国で順次公開されます。
川と海を往還するサクラマスの生態を通して、自然環境と人間社会の関係性を多角的に描いた作品。劇場公開の発表にあわせて本予告映像が公開されました。
サクラマスを通して自然と社会のつながりを描く
『サクラマスのラストワルツ』は、2024年公開のドキュメンタリー映画『ミルクの中のイワナ』に続く作品です。監督は前作に続き坂本麻人氏が務めます。
本作は95分のドキュメンタリー作品で、ヤマメとサクラマスを題材に、流域に広がる自然環境や人々の暮らしを見つめる内容。出演者には東京大学、北海道大学、京都大学、水産研究・教育機構などの研究者や専門家のほか、流域保全や森林管理、水産資源に携わる関係者が名を連ねています。
『サクラマスのラストワルツ』キービジュアル(提供:一般社団法人WholeUniverse)専門的な知見と現場での証言を交えながら、サクラマスの生態だけでなく、流域が育んできた文化や社会との結び付きについても描いている点が本作の特徴です。
サクラマスに見る人間社会の歪み
サクラマスは川でヤマメとして生まれ、海へ下った後、再び川へ戻って産卵を行います。しかし、ダムや堰堤の整備、森林環境の変化などによって、その回遊が難しくなっている地域も少なくありません。
作品では、研究者や水産関係者、地域で自然と向き合う人々への取材を通じて、生態系だけでなく、人間社会の営みや文化との関わりについても掘り下げます。
河川生活期、または河川残留型のヤマメ(提供:一般社団法人WholeUniverse)坂本監督は、本作では環境問題を単純な善悪の構図として描くのではないとした上で、「自然と社会の対立を強調するのではなく、そのあいだにある揺らぐジレンマを映し出し、サクラマスとの対話の可能性を探りたい」とコメント。サクラマスの命の循環を通して、人と自然の関係を改めて考えるきっかけを提示したいとの考えを示しています。
著名人から作品へのコメント寄稿も
劇場公開の発表に伴い、本予告映像も公開されました。
併せて、音楽家の宮沢和史さんや森山直太朗さん、アーティストのコムアイさん、タレントのふかわりょうさん、料理家の野村友里さんをはじめ、写真家や映画監督、研究者など各分野から作品へのコメントが寄せられています。
宮沢さんは「この作品はサクラマスの現状を伝えるのが目的のすべてではない。我々がどう生きるべきかを突きつけているのだ」、コムアイさんは「魚を見つめつづけ、魚への愛があふれると、思いがけず日本社会が抱える問題、人類が抱える問題までもが見えてきてしまった」とそれぞれコメントしています。
全国で順次公開予定
企画・配給は一般社団法人WholeUniverseが担当。10月9日にアップリンク吉祥寺で公開された後、アップリンク京都、上田映劇、Cinema KOBEをはじめ、富山県、岡山県、大分県など全国の劇場で順次上映される予定です。
『サクラマスのラストワルツ』より(提供:一般社団法人WholeUniverse)前作『ミルクの中のイワナ』は、DVDとBlu-rayの販売も決定しており、7月1日から先行予約受付を開始。『サクラマスのラストワルツ』と一緒に楽しみたい一作です。
『ミルクの中のイワナ』(提供:一般社団法人WholeUniverse)『サクラマスのラストワルツ』について、詳しくは映画公式ホームページに掲載されています。
※2026年7月6日時点の情報です
(サカナト編集部)