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小さな体に大きな声<ニホンアマガエル>を観察してみよう 田んぼにおける重要性とは

毎年5〜6月はアマガエルの産卵のピークです! 田舎ではよく見かけるアマガエルですが、そんな彼らを注意深く観察する人は少ないのではないでしょうか。

今回は筆者のアマガエル観察記を通して、アマガエルの生態や田んぼにおけるアマガエルの重要性をご紹介します。

ニホンアマガエルとは

ニホンアマガエルは日本でよく見られる小型のカエルです。今回観察したカエルもこのニホンアマガエルになります。

アマガエル(撮影:みのり)

ニホンアマガエルは水辺にのみ住んでいると思われがちですが、森の木の上など陸でも生活しています。周りの環境に合わせて皮膚の色素細胞を拡張・伸縮させることで、体色を黄緑色から灰褐色まで様々な色に変化させることができます。

そして、5月あたりから夏にかけて繁殖のため田んぼに現れるのです。

他のカエル種と比べて捕まえやすく観察しやすいですが、体表に毒を持っているため触ったあとはしっかり手を洗いましょう。

アマガエルは色んな時期に鳴く?

一般的にカエルは繁殖シーズンにメスを呼ぶため、またはナワバリの主張のために鳴くと言われています。

しかしアマガエルはその名の通り、雨の降る直前にも鳴くと言われています。

昼に見つけたニホンアマガエル(撮影:みのり)

なぜ雨の直前に鳴くのかはよくわかっていません。雨の直前に鳴くことで繁殖や生活に利点となったという研究報告もないそうです。

また一般的に夜に鳴くカエルと異なり、昼に鳴くこともあります。

体は小さい…けど鳴き声は大きい!

さて、そんなアマガエルたちの鳴く様子を観察するべく、筆者はとある田んぼを訪れました。前述の通り、昼間も鳴いていましたが、夜の方が圧倒的にその数は多かったです。

彼らは自分の鳴き声とほかのカエルの鳴き声が被ってメスに認知されなくなることを防ぐため、少しずつ鳴くタイミングをズラして鳴きます(輪唱)。そのため、田んぼのありとあらゆる場所から鳴き声が響いてきます。

鳴くアマガエル(撮影:みのり)

アマガエルはせいぜい2〜4cmしかない非常に小さなカエルです。こんなに小さい体から大きな声が聴こえてくるのだから驚きです。

メスを巡って輪唱する、まさに“小さな恋のうた”といえますね。

そして、その小さな身体が破裂してしまうのではないかというくらい喉を大きく膨らませて鳴きます。“小さな恋のうた”などと勝手に付けましたが、彼らはとっても“大きい”カエルでもあるのです。

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

北里大学海洋生命科学部卒・元水族館飼育員。魚類・クラゲはもちろん、イルカの飼育も担当。非常に多趣味で、生き物観察やフィールドワークはもちろん、映画や読書、ゲームも好き。多趣味ゆえの独自の視点、飼育員視点を交えつつ、水生生物やそれを取り巻く自然環境、文化、水族館の魅力を発信していきます。

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