マリンアクアリウムと言われる趣味。その中で飼育される海水魚は人気種やマイナー種、高価な種や安価な種など様々です。
今回は特に中級者やマニアに人気と言われるシマヤッコについてご紹介します。
シマヤッコはなぜ人気?
シマヤッコはなぜアクアリウム愛好者に人気なのでしょうか?
その人気の理由に迫ります。
白と黒のシマシマに鮮やかな黄色
白い地に黒の横線、腹部にかけての黄色いグラデーション、ギザギザとした背びれ……。ポップでパッと目を引くシマヤッコの見た目に惹きつけられた人は多いのではないでしょうか?
この鮮やかな見た目が、人気がある理由のひとつといっても過言ではないでしょう。
キュートな泳ぎ方
海の中にはドロップオフと呼ばれるリーフの外側の落ちこみがあり、シマヤッコはそうした深部の入り組んだ岩場に生息します。
岩場に逆さになったり、岩についている生物を口でツンツンしたり、岩の隙間をスイスイ泳いだり……といったキュートな仕草は水槽内でも見ることができとても魅力的です。
独特な体型を持つ
小型ヤッコの仲間には、ケントロピーゲ属(アブラヤッコ属 ケントロピーゲ亜属)とパラケントロピーゲ属(シマヤッコ属)があり、シマヤッコはパラケントロピーゲ属に分類されます。仲間には、スミレヤッコや超高級魚で有名なペパーミントエンゼルフィッシュがいます。
多くの小型ヤッコが分類されるケントロピーゲ属とは異なる体型も人気の秘密かもしれません。
なかなか飼育できないところ
とはいえ、シマヤッコの飼育は容易ではありません。とっても可愛いルックスを持っているのに、手が届きそうで届かない側面もアクアリウム愛好者にとっては逆に魅力に感じる人もいるのではないでしょうか。
シマヤッコの飼育が難しい理由
シマヤッコは飼育が難しいことでよく知られています。同様に、同じ属のスミレヤッコとペパーミントエンゼルフィッシュも飼育が難しいとされています。
この魚たちの飼育が難しいと言われる理由を解説していきます。
餌付けが難しい!
カクレクマノミやバスレットなどは基本的に人工飼料にすぐに餌付きますが、シマヤッコは全然餌付きません。
まず生き餌から慣れさせて、冷凍餌、乾燥餌(クリルなど)、人工飼料といった段階を踏まなくてはならないため大変なのです。この餌付けが最も大きな課題と言ってもいいでしょう。
臆病な性格が飼育の壁に
個体差はありますが、シマヤッコは臆病(温和)です。人影に反応してすぐに隠れます。餌付けをする前に落ち着ける場所がないとそもそも餌付ける前に死んでしまいます。
ライブロックを複雑に組み生息場所を再現するなどして落ち着く環境を作ってあげましょう。
混泳が難しい
パラケントロピーゲ属は混泳が難しいとされます。性格だと思いますが、強い魚がいると怯えて出てこなくなったりいじめられてまうことが多いです。特に同種間、近種間では激しい争いが起きるため混泳には注意する必要があります。
水槽内で混泳する場合は小さいものや弱いものから先に入れるのが鉄則です。小さい水槽の場合は単独飼育が理想でしょう。
うまくいく、いかないは別として運や個体差もあるので無理そうだと判断したらすぐに隔離してあげてください。
もし既存の水槽との相性が悪くても、放流することは絶対に避けましょう。責任を持って新たな水槽を立ち上げ、シマヤッコに適した環境を作ってあげてください。
せっかく手に入れた大切な魚を長く飼育するために、住んでいる場所や生態など、その魚に対しての知識をつけてから導入することが大きなリスクの軽減につながるはずです。
(サカナトライター:さかなのみかた)