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各地で<赤潮警報>が発令? プランクトンが夏場に大量発生するワケ

暖かくなると各地で発生する赤潮(あかしお)

赤潮による経済的な被害は大きく、7月31日には延岡市北浦湾で発生した赤潮により養殖カンパチ3000匹がへい死しました(延岡 北浦湾で赤潮が発生 養殖のカンパチ3000匹死ぬ-NHK)。

なぜ暖かくなると赤潮が発生するのでしょうか? 赤潮が発生すると魚がへい死してしまう理由と共に解説します。

赤潮とは

赤潮とは海産プランクトンの大発生により海が赤くなる現象です。

赤潮で海が赤くなる理由は発生するプランクトンが赤い色素を持っているためで、1個体1個体が持つ色素は多くないものの、それが無数に集まることにより海が赤く見えるのです。

そのため、発生するプランクトンの種類により水の色が変化し、朱色や濃い赤、緑色など様々な色を呈します。

赤潮(提供:PhotoAC)

東京都環境局では赤潮の定義として「海水が、茶褐、黄褐、緑色などの色を呈していること」「透明度が、おおむね1.5メートル以下に低下していること」などを挙げており(赤潮とは?-東京都環境局)、必ずしも「赤潮=赤色」という訳ではないということです。

夜に輝く赤潮

夜光虫(提供:PhotoAC)

赤潮の原因となる植物プランクトン(渦鞭毛藻類)はいくつか知られており、ノクチルカ・シンチランスは別名「夜光虫」としても有名。本種が引き起こす赤潮では、昼間は赤い海も夜間は刺激を加えると青白く光る現象が観察することが可能です。

この現象は波打ち際や夜間に航行する船で見ることができ、しばしば幻想的な風景を生み出します。

暖かくなるとプランクトンが増殖する理由

このようにプランクトンの大発生により赤潮が起こることは知っていたという方も多いと思います。一方で、プランクトンが大発生する原因については知らない人が多いのではないでしょうか?

プランクトンが大発生する原因の1つとして、我々の生活が挙げられます。人々の生活で海に流出した排水はリン酸や窒素などの栄養塩含み、これがプランクトンの餌となるのです。

これを富栄養化(ふえいようか)と呼び、この状態で日照時間が長くなり水温が上がるとプランクトンが増殖します。そのため、高度経済成長期には富栄養化が進む赤潮が多発したようです。

赤潮で魚がへい死する理由は?

では何故、赤潮が発生すると魚がへい死してしまうのでしょうか?

実は赤潮が発生するとプランクトンが大量に酸素を消費することから海中が酸欠状態となり、魚などの生物がへい死してしまうのです。また、エラにプランクトンが詰まってしまうこともへい死の原因とされています。

さらに、高水温では海中が低酸素になることがあり、これが原因で魚がへい死することもあります。へい死した魚は悪臭を放ち、被害は海だけでなく陸上にも及びます。

このように赤潮は人々の生活と結びついており、被害は海洋のみならず我々にも影響を及ぼします。もちろん、自然現象の赤潮もあるため、必ずしも人が原因という訳ではありません。しかし、人間の生活で出た排水が赤潮の原因となり得ることを知っておく必要があるでしょう。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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