モルディブのサンゴ礁には面白い形や顔をした魚や貝がいて、見ていて全く飽きません。筆者は気が付くと2時間くらいシュノーケリングしていました。
冒頭の写真はハゲブダイのメス。アイシャドウとつけまつげ、白点でオシャレでした。そのほかモルディブのサンゴ礁で出会ったサカナたちを紹介します。
サンゴ礁にすむサメ<ツマグロ>
ツマグロ(学名:Carcharhinus melanopterus)は、インド洋のサンゴ礁に普遍的に生息するサメ。ヒレの先端が黒色であることが特徴です。
メジロザメ目に属するサメですが、人を襲うことはありません。小さな魚を食べて暮らしています。
シュノーケリングをしていると、横から突然出て来てくるので、非常にびっくりします。悠々と王者の風格で泳ぐ姿が神々しいですね。この海では、出会うサメはこのサメばかりでした。
細くてのんびり<アオヤガラ>
アオヤガラ(学名:Fistularia commersonii)はインド洋や太平洋、本州中部以南に生息する、筒状の魚。小さな魚や甲殻類を食べます。泳ぐ姿が可愛くてなんだかユーモラスです。
矢の「矢柄」に形が似ているため、この名が付きました。近縁種には体色が赤いアカヤガラという美味しい魚もいます。
アカヤガラはたまに魚屋にも並びますが、筆者はまだ買う勇気がありません。
泳ぎがうまくない<イシヨウジ>
イシヨウジ(学名:Corythoichthys haematopterus)は、インド洋〜太平洋のサンゴ礁の砂地に生息する細長い魚。ヨウジウオ科の魚で、タツノオトシゴの親戚なので、顔も似ていますね。
なお、尾びれはウチワのように丸く、可愛い姿をしています。
ヨウジウオ科の魚はあまり泳ぎがうまくないので、岩礁やサンゴの上で横になっていることが多いです。
つがいで泳ぐ<トゲチョウチョウウオ>
トゲチョウチョウウオ(学名:Chaetodon auriga)は、日本周辺やインド洋〜太平洋などに生息する魚。雑食性のため、飼育しやすく人気があります。成魚は食用可能です。
背ビレ後方の軟条が糸状に細く伸び、背ビレには大きな黒い斑があるのが特徴です。
つがいでいつも2匹一緒に行動するので、なんだか羨ましいかも。
笑顔にみえる<ファイブサドルパロットフィッシュ>
ファイブサドルパロットフィッシュ(学名:Scarus scaber)は、インド洋〜太平洋に生息するアオブダイ属の魚。オスには青色のグラデーション、メスには黄色と黒色の帯模様が現れます。
ブダイやベラによく見られる雌雄で模様が変わる魚です。
ブダイやベラではこうした笑顔のような顔つきをしたものが多く、ほのぼのしますね。
縄張り意識が強い<タテジマキンチャクダイ>
タテジマキンチャクダイ(学名:Pomacanthus imperator)は、相模湾以南、インド洋〜太平洋のサンゴ礁に生息する魚。縄張り意識が強く、同属や同種の魚と喧嘩をすることが多いです。
筆者も他の魚にちょっかいを出すのを目撃しました。日本近海のものは背ビレの後方の軟条が伸びますが、インド洋のものでは伸びずに丸いままです。
縄張り意識が強いエピソードを踏まえるとサングラスをかけたちょっと悪い顔にみえるので、ブダイの少し間の抜けたような笑顔と対比すると笑ってしまいます。
この写真では目つきが悪そうに見えますが、明るいところで真横から見るとまん丸のつぶらな瞳が可愛いです。
実は危険な<オオシャコガイ>
オオシャコガイ(学名:Tridacna gigas)は、最大で2メートル、200キロ以上になります。今回の個体は大きさや形から、まだ幼い個体だと思われます。
殻から出た外套膜(がいとうまく)には褐虫藻が共生しており、光合成により、栄養を受け取ります。褐虫藻によって鮮やかな緑色や青色に光り輝く外套膜はとても神秘的です。
貝に挟まれると、人の力では絶対に脱出できないので、手や足を入れないようにしてください。
過去に死亡事故も発生しています。手塚治虫の人気漫画『ブラックジャック』では、貝柱をメスで切断し、脱出していましたが、これは一般人には難しいですね。
海の面白い生物を探しに行きましょう!
いかがでしたか?
実は、今回紹介した面白い生き物は日本のサンゴ礁でも見られるものばかりです。シュノーケリングでも十分観察できるので、ぜひ見に行ってくださいね。
本当に、楽しくてワクワクするので、おすすめです。あまり生き物や魚に興味がない人でも、一度体験すると、病みつきになりますよ!
(サカナトライター:額田善之)