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生き物の確保や維持は“生体維持のプロ”が担当

生き物の確保や維持はイベントリーダーの先輩がほとんど行ってくれました。

彼は元水族館飼育員かつ現在は熱帯魚ショップで勤務しているため、飼育に関してはプロ中のプロなのです。

自作濾過器(撮影:みのり)

確保した生き物たちは全て自宅で管理し、当日実施したタッチプールの濾過器もなんと手作り!

とてつもなく大変な作業ですが、それでも当たり前のようにやってのける先輩の背中は、それはそれは大きいものでした。

いざ、イベント当日! 一番人気はタッチプール

事前準備も完了し、いざイベント当日!

設営した水槽展示(撮影:みのり)

水槽はトラックの荷台に載せる形で展示。「おお!かなり水族館っぽい」と驚きました。

市販の水槽でも、黒のプラスチック段ボールで周りを囲うだけでかなり雰囲気が出ます。

「東京湾にはこんな生き物がいるんだよ」

そして、やはり一番人気はタッチプール。実際に生き物に触れて、感じられるのは子どもたちにとってもインパクトが大きいようです。

最初は「こわい!」と言っていた子も、スタッフや周りのお友達に教えてもらい、最後には触れるようになっていました。

タッチプールの様子(撮影:みのり)

なお、タッチプールには常に人を配置し、生き物の触り方を優しく指導。

特に子どもは慣れてくると、生き物のヒレを引っ張ってしまうなど生き物を傷つけてしまうことがあるので、注意しながら見守りました。

「東京湾にはこんな生き物がいるんだよ」「実際に触れてみよう、感じてみよう、もっと知ってみよう」

そういったメッセージが子どもたちに少しでも伝わっていれば嬉しいです。

カニの甲羅のワークショップも実施!

水槽展示とは別に、カニの甲羅に似顔絵を描いてお面を作るというワークショップも開催しました。

ワークショップの様子(撮影:みのり)

これは静岡県でタカアシガニの甲羅を用いて魔除のお面を作るという文化があり、それを模した企画です。

タカアシガニの甲羅を大量に入手することは困難なため、ズワイガニの甲羅で代用しました。こちらも多くの子どもたちに楽しんでもらえました。

大変だけど…やっぱり水族館イベントは楽しい

私たちの想像以上にたくさんの人が訪れ、現場は大盛況。パネル制作で協力してくれた大学の後輩たちも、手伝いに駆けつけてくれました。

ここには載せきれていない苦労話もたくさんあります。どれも非常に骨が折れる作業でした。

イベント後、筆者は死んだように眠り、先輩は重いものを多数運んだ代償で腰を痛めたというのはここだけのお話……。

とはいえ、やっぱり水族館関連のイベントは楽しい。筆者も先輩も、口を揃えて「楽しいね」と言いながら作業していました。

たくさんの人に生き物の魅力を伝え、興味をもってもらう。それが如何に素晴らしいことか改めて実感しました。

また機会があれば、今回の経験を活かしてさらにより良い展示を作っていきたいです。

(サカナトライター:みのり)

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

北里大学海洋生命科学部卒・元水族館飼育員。魚類・クラゲはもちろん、イルカの飼育も担当。非常に多趣味で、生き物観察やフィールドワークはもちろん、映画や読書、ゲームも好き。多趣味ゆえの独自の視点、飼育員視点を交えつつ、水生生物やそれを取り巻く自然環境、文化、水族館の魅力を発信していきます。

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