チンアナゴは水族館の愛され者。ですが、その暮らしや名前の由来は意外にも詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなチンアナゴがどんな魚なのか紹介します。
チンアナゴはサンゴ礁の巣で暮らす魚
チンアナゴといえば、穴から顔を出して揺れている姿が有名な魚です。普段はサンゴ礁の砂地に群れで生息しています。
体長は約30センチで、穴からのぞいている部分は約10センチ。体のほとんどが巣穴に埋まっています。巣穴は自分の尾びれを器用に使ってドリルのように掘り進め、自分の体から出す粘液によって巣穴を固めています。
チンアナゴは自分で泳がずに、流れてくる動物プランクトンを食べています。水槽のチンアナゴがみんな同じ方向を向いているのは、餌を食べるためなのです。
チンアナゴの名前の由来は? 英名も可愛い!
チンアナゴはその独特な見た目が名前の由来。顔が日本犬の「狆(ちん)」に似ていることからこの名前がつきました。丸みのあるとぼけた顔つきと、白と黒の斑点模様はまさに狆のようでとても愛らしいです。
なお、英名は「spotted garden eel」。これは直訳すると斑点のある庭ウナギという意味で、砂底から頭をのぞかせている姿が庭の草木のように見えたことからこの名がついたそうです。
「チンアナゴ」とまとめられることが多い魚たち
チンアナゴと同じ水槽で暮らしている、オレンジと白の縞模様が可愛い生物はニシキアナゴといいます。チンアナゴとよく似ていますが別種で、チンアナゴはチンアナゴ属、ニシキアナゴはシンジュアナゴ属の魚です。
顔を見てみると、チンアナゴより面長であることがわかります。また、チンアナゴより少し目立つ背びれを持っています。体の鮮やかな色が「錦」を連想させることからこの名前が付きました。
また、日本の水族館ではホワイトスポッテッドガーデンイールという種も見ることができます。ニシキアナゴと同じシンジュアナゴ属の魚です。少し茶色っぽい体色に白い斑点が直線状に並んでいるのが特徴です。3種類のなかでは一番長く、70センチ近くになるそう。
「チンアナゴの日」が制定されたり、水族館での企画展示が開催されたり、家からチンアナゴの水槽を眺められるライブ配信が行われたりと、たくさんの人に愛されている魚、チンアナゴ。
チンアナゴたちは、喧嘩をしたり絡まっていたりと、いろんな表情を見せてくれます。彼らが自然界でどのように暮らしているか想像してみるのも楽しいですね。
(サカナト編集部)