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1年半にわたる飼育と記録

今回行われた研究ではヌタウナギを1年半にわたり飼育し、毎月、体長と体重の測定、エサの消費量や摂餌時の行動、排泄までの日数などの記録が行われました。

記録から得られたデータと過去に島根県水産技術センターが報告したデータを合わせて解析した結果では、ヌタウナギの生殖腺が発達し始めるのが早くて4歳以降であること、漁獲されるのヌタウナギは主に6~9歳であること、寿命が50年を超えることが示唆されています。

また、摂餌データからはヌタウナギは食べた餌を2週間ほどかけてゆっくりと消化し、腸と同じサイズのフンとして一気に排泄することも明らかになりました。

考えられてきた以上に低い繁殖効率

ヌタウナギの繁殖様式についても、新たな知見が得られたようです。

今回の研究で用いられたヌタウナギ Eptatretus burgeri  は季節性の繁殖パターンを示し、夏から秋に産卵することが知られています。研究で使用した個体の一部は通算で3年半ほど飼育・観察した結果、メスは2〜3年に一度しか産卵しないことが示唆されたとのこと。

つまり、これまでに考えられてきた以上にヌタウナギの産卵効率は低いとされています。

ヌタウナギが乱獲に対して脆弱な可能性

今回の研究は、ヌタウナギが長寿な生物であることを世界で初めて明らかにしました。また、本種はいったん個体数が減少すると個体数回復に長い時間を要すると考えられています。

これらのことは、海底に多く生息するヌタウナギが乱獲や環境変化に対し脆弱である可能性を示すものとなりました。今回の研究は、海洋生態系の保全を議論する上で重要な成果とされています。

(サカナト編集部)

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