四方を海で囲まれた日本では漁業が盛んであり、漁船が停泊するための漁港が各地に点在しています。漁港は漁業関係者の仕事場でありながら、一般の方にとっては貴重な釣り場でもあります。
しかし近年、港へ訪れる人々と漁業関係者とのトラブルにより、釣り禁止となる漁港が後を絶ちません。一度釣り禁止となった漁港が再び開放されることは稀であり、国内の釣り場は減少の一途を辿っています。
そんな中で登場したのが釣り場予約サービス「海釣りGO」。同サービスでは漁港を釣り施設化することで、釣り禁止になってしまった漁港で再び釣りができるようにしています。
海釣りGOとは
「海釣りGO」は伊豆漁業協同組合の仁科支所・田子支所が株式会社ウミゴーのサポートで提供している釣り場予約サービスです。
国内では初のアプリを使用した漁港の釣り予約サービスであり、2023年7月末に静岡県西伊豆町の田子漁港が釣り場として開放されました。この漁港は水深が最大20メートルと深く多種多様な魚が釣れることから人気が高かったものの、釣り人と漁業関係者とのトラブルにより2022年7月に釣り禁止になったポイントです。
田子漁港の開放は実に1年ぶりとなり、釣り場(定員30人で小学生以下無料)は300円/1時間となっている他、駐車場(26台まで)も100円/1時間で利用可能。予約と決済はアプリから行うことができるようになりました。また、釣具やライフジャケットを有料で貸し出しているので、初めての方でも安心して遊びに行くことができるのも魅力となっています。
収益で漁港の美化や施設の充実を実現
このように「海釣りGO」では漁港の美化や案内など人でなければできない業務は巡視員が行う一方、予約や決済はソフトウェアが行っているため、低コスト化を実現。得られた収益で漁港の美化や施設の充実を実現することが可能になったのです。
また、中学生以上の西伊豆町民の場合、ライセンス発行後、海釣り券と駐車券が無料になる特典もあり、地元の方々にとって嬉しいサービスとなっています。
田子漁港に続いて仁科漁港も導入
田子漁港が釣り場として導入されてから約1年となる今年8月3日、釣り場として“グレーゾーン”であった仁科漁港も釣り場として開放されました。
仁科漁港は田子漁港のやや南に位置する漁港で、様々な魚が狙えることから人気の釣り場。今回、開放されたエリアはこれまでグレーゾーンとされていた北側堤防に加えて、南側の堤防も明確に釣り場として定めました。
料金は田子漁港と同様に釣り場が300円/1時間、駐車場が100円/1時間となっており、仁科漁港では定員30人、車は20台まで駐車可能。ライフジャケットや釣り具の貸し出しも行っています。
仁科漁港の近くには「鍛冶屋浜」や「沢田公園露天風呂」等の観光地もあり、釣りだけではなく観光地としても魅力的なエリアとなっています。この夏、家族や友人と訪れてみてはいかがでしょうか。
なお、各釣り場で禁止行為や注意事項、捕獲ルール、釣り可能な時間があるのでルールを厳守しましょう。また、安全確保は自己責任の上、子どもも含めてライフジャケットを必ず着用しましょう。
詳細は「海釣りGO」のサイトから確認することができます。
(サカナト編集部)