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独特な<カニダンス>を見るコツとは? 仙台うみの杜水族館でチゴガニとコメツキガニの展示開始

仙台うみの杜水族館で、干潟のカニの代表種であるチゴガニコメツキガニの展示が始まりました。

ちょっと地味、そして近寄るとすぐ隠れてしまうけれど、とても大切な地元の海の生き物をご紹介します!

仙台うみの杜水族館の「干潟 育むうみ」

宮城県仙台市に位置する、仙台うみの杜水族館。屋内展示エリアは、1階「日本のうみ-東北のうみ-」と2階「世界のうみ」に大きく分けられます。

このうち1階「日本のうみ-東北のうみ-」内の<干潟 育むうみ>エリアには、水槽上部がオープンになった開放的なつくりの干潟水槽があります。

仙台うみの杜水族館の干潟水槽(提供:アル)

この干潟水槽に、この夏からチゴガニコメツキガニの2種類のカニが入りました。

地元の干潟を代表するカニ チゴガニとコメツキガニ

チゴガニもコメツキガニも、どちらも河口域の干潟に生息する甲幅1センチほどの小型のカニ。

チゴガニ。仙台うみの杜水族館にて撮影(提供:アル)

チゴガニは、水色の甲白くて目立つハサミ脚が特徴です。

コメツキガニ(提供:PhotoAC)

一方のコメツキガニはチゴガニと比べると地味な体色で、遠くからだとほとんど砂と同化してしまいます。

どちらの種類も、仙台うみの杜水族館からほど近い蒲生干潟をはじめ、仙台近郊のあちこちの干潟でもしばしばその姿を目にします。

小さくて地味な姿ながら、干潮時には干潟上に見渡す限りの大群を作っていることもあります。実は身近な、地元の干潟を代表するカニたちなのです。

観察のコツは<とにかくそうっと、ひっそり静カニ>!

そんなチゴガニとコメツキガニの特徴は、砂の中の有機物を食べた後に残される「砂だんご」と、「ウェービング」と呼ばれる、ダンスのような特徴的な動き(求愛行動)

水族館の水槽でも、基本的にこの行動は変わらないようです。

今回、うみの杜水族館の干潟水槽で展示がスタートした際にも、「あ!たくさんの砂だんご!きっとチゴガニが入ったんだ!」と気付くことができました。

陸地に点々と並ぶ小さな粒々が、カニたちの作った「砂だんご」です(提供:アル)

一方、ウェービング行動については、水族館で観察するのは少々コツがいるかもしれません。

なぜなら、小さくて無防備な彼らは外敵の気配にとても敏感。人影が近づいたり、大きな物音や振動を感じると、素早く巣穴や水中に隠れてしまうのです。

そのため、観察のコツは「カニたちを驚かさないように、とにかく静かに待つ」こと。館内が空いているときなら、少し離れた場所から、双眼鏡や望遠レンズを使って静かに観察するのもいいでしょう。

水族館での双眼鏡観察。少々あやしい見た目ですが、実はけっこう楽しいのです(提供:アル)

そうやって辛抱強く待てば、きっとこんな愛らしい姿を見せてくれるはずです!

じっと静かに待っていた人だけが見ることができる、ごほうびのようなワンシーンです。

チゴガニのウェービング、まるで踊っているみたい!(提供:アル)

なお、この「とにかく静かに待つ」という観察のコツは、干潟での野外観察でも変わりません。

例年以上に暑い今年の夏。干潟で生物観察をするのもひと苦労です。涼しい水族館の館内で、ちょっとしたフィールド観察気分を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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水族館で、魚を撮ろう!

「水族館はいいぞ」「魚はいいぞ」を伝えたいと思いながら、水族館で魚の写真撮ったり自宅で魚を飼ったりしてる人。将来の夢は水族館のお兄さんでした(今は違います)。

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