魚に会える場所
ここまで紹介した中でもっとも一般的な死滅回遊魚を採集したいのであれば、黒潮があたる関東~九州までの太平洋岸で採集するとよいでしょう。この海域では黒潮が磯を洗い、熱帯性の卵や仔魚・稚魚たちが黒潮に乗ってやってくるからです。
筆者の経験では、千葉県の房総半島のうちいわゆる「外房」と呼ばれる場所や、神奈川県の三浦半島、紀伊半島の串本方面、高知県の西部、日南海岸などによい採集スポットがあります。
しかしながら採集が禁止されている場所(保護水面など)もあり、注意が必要です。なお、詳細な採集ポイントについてはこの記事では触れませんので、上記のヒントをもとにご自身で探してみましょう。

日本海岸にも対馬暖流が流れていますが、死滅回遊魚については残念ながら太平洋岸に比べると数・種類とも少ないと言えます。しかしながら、それでも近年はハタタテダイやトゲチョウチョウウオ、ニザダイ類などが採集されているようです。
もしかしたら今後海水温の上昇が進むと、日本海にもより多くの死滅回遊魚が来るかもしれません。しかしながらそうなると、これまで生息していた温帯の魚や生物にとっては危機になりますので、良いこととはいえないでしょう。
ハゼやカエルウオの仲間は関東以南の沿岸であればほとんどの地域で見られますが、やはり太平洋岸、それも紀伊半島や四国などに多いものです。ダンゴウオやスナビクニンなどは関東ではおなじみですが、四国や九州沿岸ではほとんど見られないようです。
磯採集をするのはどんな日がよい?
磯採集は台風のときなど海が荒れてなければいつでもできますが、基本的には晴れの日を選んだほうが楽しいでしょう。
ただし、淡水の採集と異なり、海での採集は「潮の満ち引き」に左右されることになります。
これは磯採集の主体が干潮時にできる「タイドプール」での採集になるからで、基本的には干潮の2時間ほど前から磯に入るようにすると楽しく遊べると思います。

なお、潮の満ち引きについては新聞や釣り雑誌に掲載されているほか、スマートフォンなどを使って気象庁などのウェブサイトなどで調べるのが確実です。
もちろん夏の採集は熱中症に注意し、逆に、冬の採集はよく冷える夜間がメインとなるため凍えないよう防寒対策をしっかりしておきましょう。