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珍味「のれそれ」の正体はアナゴ? 誰もが知る魚の幼生たちを紹介 

高知県が発祥の珍味「のれそれ」。透明で平たく細長いのれそれの正体は、アナゴの幼生であるレプトケファルスなのです。この記事では、レプトケファルスや、他の形態の幼生について紹介します。

高知県の珍味「のれそれ」とは?

のれそれとは、透明で平たい小さな魚を生で食べる料理のことです。高知県が発祥で、主に西日本で食されています。岡山では「べらた」と呼ぶことも。

のれそれ(提供:Photo AC)

のれそれはウナギ目アナゴ科アナゴ属の魚であるアナゴの幼生と言われています。しかし、種名は定かではないとする意見も。確かに、透明な幼生の状態ではアナゴかどうかはっきりしませんね。

さらに、透明で平たく細長いという特徴を持つ幼生はレプトケファルスと呼ばれており、アナゴ以外の魚もこの姿を有していることがあるのです。

のれそれの正体は「レプトケファルス」

レプトケファルスは「Leptocephalus」と書き、その語源は「Lepto(小さい)+「cephalus(頭)」」で、小さい頭という意味です。レプトケファルスは、ウナギ目、フウセンウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目が属するカライワシ上目の魚類に見られる姿です。

レプトケファルス(提供:Photo AC)

ウナギの場合、孵化した仔魚はまずレプトケファルスに成長します。ここからさらに変態してシラスウナギと呼ばれる稚魚に成長し、河川などの淡水をのぼって皆さんがよく知る成魚の姿になります。

多くの魚類では歯が口の奥に向いているため、何かを噛み砕いて体内に運ぶ役割があることがわかります。しかしレプトケファルスの歯は前方に向いており、様々な動物プランクトンを与えても捕食せず、食性がはっきりわかっていませんでした。

東京大学は、レプトケファルスの食性をはっきりさせるためにウナギのレプトケファルスの栄養段階を推定しました。すると、レプトケファルスの栄養段階がかなり低いことがわかり、このことから、植物プランクトンや動物プランクトンの死骸や生物の排泄物といったマリンスノーを食べている説が支持されました(ウナギの幼生は何を食べているのか?-東京大学)。

不思議な名前をもつ幼生は他にも!

このような不思議な名前の幼生の形態は他にもあります。例えばトリティクス幼生。これはチョウチョウウオ類の幼生のことです。頭が大きくて固く、兜のような形状をしており、体表は金属のように輝いています。成魚の姿からは想像もできない姿ですよね。体は小さいですが目がくりっとしていて、愛らしさがあります。

トゲチョウチョウウオ(成魚)(提供:Photo AC)

河川には、アンモシーテス幼生という幼生がいます。これはヤツメウナギ目の幼生で、こちらも成魚と比べると似ても似つかない形態をしています。口には歯がなく、代わりに繊毛があります。これでプランクトンを濾して食べ過ごしています。住処は河川の泥中。レプトケファルスとは違い、黒っぽい体表をしています。成長するにつれて体は短くなり、唇は吸盤に変化し、繊毛が歯に変わるといった変化を経て、成魚へと変化していきます。

スナヤツメ(成魚)(提供:PhotoAC)

動物プランクトンには魚類の幼生も含まれる

魚にも子供時代があって、私たちが普段触れる成魚の姿になっています。「動物プランクトン」と呼ばれるものには、一生をプランクトンで過ごす種類のほかにこのような魚類の幼生も含まれます。その姿はとても小さく見つけることは難しいですが、これからの地球を共に担っていく仲間でもあります。

少し覚えづらい名前ではありますが、これらの幼生に触れる機会があればぜひ目を向けてみてくださいね。

(サカナト編集部)

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