環境配慮型の食料生産システムとして注目される“アクアポニックス”を見学することができる施設「FIVOR KURASHIKI Lab.」が4月9日、岡山県倉敷市にオープンします。
アクアポニックスとは、水耕栽培と陸上養殖を組み合わせた循環型栽培のこと。今回公開されるのは、環境負荷の低減と安定した食料生産の両立を目指す取り組みを実際に見て、その仕組みを把握できる施設だといいます。
水耕栽培×陸上養殖「アクアポニックス」を公開
FIVOR KURASHIKI Lab.を運営する株式会社FIVORは2025年設立のスタートアップ。アクアポニックスの普及を通じて循環型社会の実現を目指しています。
同施設は、魚の養殖と野菜の水耕栽培を組み合わせた循環型システムを実際に稼働させ、設備構造や水の循環・ろ過の仕組み、運用方法を学べる場として開設。アクアポニックスの導入を検討する企業や個人が実物を見ながら、具体的な運用イメージを描くことができます。
FIVOR KURASHIKI Lab. 内部(提供:株式会社FIVOR)アクアポニックスとは、魚の排泄物をろ過し、植物の栄養として活用することで、水と栄養を循環させる仕組みです。陸上養殖と水耕栽培を一体化することで、環境負荷を抑えながら、安心・安全な食料生産を目指すサステナブルな技術として期待されています。
地産地消や分散型の生産を支えるだけでなく、デザイン性や癒しの効果、STEAM教育の教材としての活用など、多面的な価値も見込まれています。
実験設備を間近で見学 海水・淡水の循環型設備も展示
施設内では、アクアポニックス設備をはじめ、オフィス設置を想定した小型機から陸上養殖用大型水槽まで、規模の異なる複数の実験設備を展示。 海水・淡水の両方に対応した設備をそろえ、飲食店やオフィス、農業・養殖事業など多様な用途を想定したラインナップを一度に見比べることができます。
FIVORのアクアポニックス設備「TAMATE BOX」のイメージ(提供:株式会社FIVOR)アクアポニックス以外にも、栽培効率の向上や環境負荷・ランニングコストの低減を目的とした循環型設備、栽培・養殖管理システム、農業・養殖向けLED製品などを展示。 見学時には、水の循環・ろ過の仕組みの解説や導入事例の紹介、個別の導入相談にも対応し、実務に即した情報提供を行う予定です。
海水・淡水双方の実験設備を備えた見学施設は国内でも限られており、導入検討者にとって貴重な機会となりそうです。
地産地消から教育・地域課題まで 広がるアクアポニックスの可能性
FIVORによると、ホテルやレストランなど観光・飲食分野では、施設内で育てた野菜や魚をその場で提供する「地産地消・自給自足型」の取り組みへの関心が高まっており、アクアポニックスが新たな付加価値コンテンツとなる可能性があるそうです。
また、廃校や未利用施設の活用、地域資源を生かした循環型農業、教育機関での学びの場づくり、就労支援施設での新たな働き方創出など、地域課題の解決への応用も視野に入ります。
オフィス空間の癒しや環境教育・食育の場としても活用が期待されており、同社はアクアポニックスを通じてウェルビーイングな地域社会の実現を目指す考えです。
見学は事前予約制 4月9日オープン
FIVOR KURASHIKI Lab.は、岡山県倉敷市連島町連島に開設され、4月9日にオープンします。
見学対象はアクアポニックスなど循環型設備の導入を検討する企業・個人。毎週木曜日に1日2回(10時、14時)実施し、所要時間は約90分です。
見学は事前予約制で、予約はFIVORのウェブサイトから可能。参加費は1名3万円(1回の見学につき最大5名まで)となっています。
※2026年4月6日時点の情報です。
(サカナト編集部)