釣りやガサガサが億劫になる真冬の時期。
冬でも魚に触れていたい筆者の息子がアクアショップで一目惚れした、ニョロニョロした魚がいます。
それが小さなヘビのような熱帯魚、クーリーローチです。
<クーリーローチ>は東南アジアに生息する夜行性の淡水魚
クーリーローチ(学名:Pangio kuhlii)は、体長は9cmほどのドジョウ科魚類です。
生息場所は東南アジアで、流れの緩やかな河川や池、沼に生息しています。
クーリーローチ(提供:そい太)クーリーローチの大きな特徴は独特な縞模様。よく見ると模様は個体ごとに微妙に違い、水槽の中でもそれぞれ違った表情を見せてくれます。
水温は24〜27°Cを好み、飼育する場合は温度管理が必要です。
夜行性の魚で、その性格は大人しく、普段は物陰に隠れていることも。底砂の中からちょこんと姿を表し、その顔つきはドジョウの仲間らしい、いい意味でおとぼけな顔つきをしています。
口元には小さなヒゲがあり、底に落ちた餌を探すのに役立っているようです。
細長い体つきは“水底で暮らしやすくするため”
クーリーローチのもう一つの特徴といえば、ヘビのように細長い体つきです。
黒と黄色の縞模様も相まって、水槽の中ではまるで小さなヘビが動いているようにも見えます。実際、泳ぐときはヘビのように体をくねらせて、水底をちょろちょろと移動するのです。
この体形は、川底で暮らす生活と深く関係していると考えられています。
川底には石の隙間や落ち葉、水草の根元など入り組んだ場所も少なくありません。細長い体を持つクーリーローチは、こうした隙間に入り込みやすく、外敵から身を隠したり、底に落ちた餌を探したりするのです。
底で暮らす魚の中には、クーリーローチのように細長い体を持つ種類がたくさんいます。隙間を利用したり、底を這うように移動したりする生活では、このような体形が有利になるのではないでしょうか。
我が家で飼育しているクーリーローチも、水槽の底や入り組んだ水草の下の方でじっとしていることが多く、餌を求める際はにょろにょろと這い出てきます。
縞模様の役割は魚体の輪郭をぼかすこと
我が家の水槽にいる3匹のクーリーローチを探そうとすると、見つかりにくくて難儀することも少なくありません。
この経験から、ドジョウの仲間は体が細いことに加え、クーリーローチはその縞模様がさらに擬態効果を高めている可能性があると考えています。
クーリーローチ(提供:そい太)自然界では、体の模様が周囲の環境に溶け込むことで、外敵に見つかりにくくなることが多々知られています。とくに縞模様は体の輪郭を分かりにくくする効果があるとされ、落ち葉や影が入り混じる川底では、背景の模様にまぎれやすくなる可能性があるのです。
クーリーローチが暮らす川底には、落ち葉や小枝などが積もる場所も多く、複雑な色や影が広がっています。細長い体と縞模様によって、周囲の環境に溶け込みやすくなっているのかもしれません。
実際、水槽の中でも水草の影に入り込むと、見つけにくくなることがあります。
おとなしい性格で他の魚との混泳も楽しめる
クーリーローチは非常に温和な性格で、臆病な側面も持ち合わせます。
我が家の水槽では同じく底生系の魚としてコリドラス、他にもモーリーやトランスルーセントグラスキャットといった中層を泳ぐ熱帯魚とも混泳させていますが、喧嘩することなく穏やかに過ごしています。
クーリーローチは顔つきも性格もどこか可愛らしく、見ていて飽きない魚です。お近くのアクアショップで見かけた際には、その顔つきや動きを観察してみてください。
(サカナトライター:そい太)