京都水族館(京都市下京区)は現在、国の天然記念物に指定されている淡水魚・アユモドキに焦点を当てた期間限定の特別展「アユモドキ、はじめました!」を開催しています。期間は6月30日まで。
河川環境に生きる希少種の展示に加え、フォトスポットやスタンプラリーなど、子どもから大人まで楽しみながら生態や保全活動を学べる多彩なコンテンツを用意しています。
「アユモドキ、はじめました!」キービジュアル(提供:京都水族館)アユモドキの“すみか”をのぞき見
京都府亀岡市と岡山県の一部河川にのみ生息するアユモドキは、日本固有の希少な淡水魚。国の天然記念物に指定されているほか、IUCNレッドリストで「深刻な危機(CR)」に位置付けられている絶滅危惧種です。
京都水族館では、身近な河川環境に潜む希少な生きものに関心を持ってもらおうと、アユモドキを主役にした特別展が企画されました。
館内2階「山紫水明」エリア入り口では、滋賀県立琵琶湖博物館から受け入れた受精卵からふ化したアユモドキ約30匹を特設水槽で展示するといいます。
アユモドキの幼魚(提供:京都水族館)河川の砂礫底や岩場など、障害物に身を潜める習性を生かし、のぞき穴から“すみか”をのぞき見できる水槽演出で、岩陰にひそむ姿を間近に観察できるそう。
水槽周辺には、生態や特徴を解説するパネルも設置し、じっくりと行動を学べる内容となっています。
会場には、アユモドキの成魚と幼魚をモチーフにしたポンチョを用意したフォトスポットも設置。幼魚のしま模様や成魚の体色をデザインしたレッドデータブック風のフォトパネルの前で記念撮影が可能で、親子で“アユモドキ気分”を楽しめます。
幼魚のポンチョ着用イメージ(提供:京都水族館)亀岡市の保全活動 地域ぐるみの取り組みを紹介
さらに、アユモドキの主な生息地である京都府亀岡市で進められている保全活動も紹介します。
個体数減少の背景や取り組み内容をパネルで解説するほか、ステンドグラスや箸置き、マンホール蓋など、アユモドキをモチーフにした多彩なグッズを展示し、地域ぐるみの保全の広がりを伝える内容となっています。
こどもの日には「アユモドキのぼり」を楽しめる
5月5日の「こどもの日」に合わせ、2階テラスには全長約6メートルの「アユモドキのぼり」も期間限定で掲げられます。
アユモドキのぼり イメージ(提供:京都水族館)幼魚の特徴であるしま模様や6本のヒゲまで描き込まれたこの“のぼり”は、亀岡市で活動していた藍染め職人・吉川慶一氏の遺作で、こいのぼりとはひと味違う風景を楽しめるといいます。
展示期間は4月14日から5月29日まで。悪天候時などは内容が変更となる場合があります。
希少種についてもっと詳しく知れる参加型展示も
館内では、来館者の性格を京都府に生息する希少種になぞらえて診断する「京都府レッドリストのいきもの診断」も実施。結果で紹介された生き物を実際の水槽で観察することで、多様な絶滅危惧種を自分事として捉える体験ができる機会となりそうです。
京都府レッドリストのいきもの診断(提供:京都水族館)また、京都水族館と亀岡市の環境情報発信施設「Circular Kameoka Lab」を巡るアユモドキスタンプラリーも展開。両施設でスタンプを重ね押しするとアユモドキのイラストが完成し、達成者にはアユモドキシールがプレゼントされます。
淡水魚の生息外保全に取り組む京都水族館
京都水族館は、2025年3月からタンゴスジシマドジョウなど京都府内の希少な淡水魚の生息域外保全に取り組んでいます。アユモドキについては約150個体のを飼育しているそうです。
今後も生息域外保全実施園館として継続飼育を進める方針で、今回の特別展を通じて、絶滅の危機にあるアユモドキとその生息環境について知ってもらう機会としたい考えです。
企画展「アユモドキ、はじめました!」の詳細は、京都水族館のホームページで確認できます。
※2026年5月2日時点の情報です
(サカナト編集部)