3月11日、相模湾に春を告げるシラス漁が始まりました。
シラス漁は禁漁前の1月頃まで続く予定です。
シラスはなんの稚魚?
シラスは色素の乏しい透明な稚魚の総称であり、シラスという名前の魚はいません。シラスと呼ばれる稚魚にはウナギやアユ、イワシ類などが含まれており、神奈川県をはじめとする各地で行われているシラス漁ではイワシ類のシラスが漁業対象です。
イワシのシラスは何種類?
シラスは小さく観察が難しいことから一見すると同じ魚に見えますが、よく見るとそれぞれに特徴があります。
よく見られるカタクチイワシのシラスは頭が丸く口が大きいことや背びれと臀びれが近いことで他の2種と区別することができます。春漁をメインに漁獲されるマイワシのシラスは頭が角ばっており、ウルメイワシのシラスは頭の先が三角形をしていることが特徴です。
釜揚げの状態からでも区別することができるので観察してみると面白いですよ。
神奈川県のシラス漁 春漁ではマイワシがメイン
神奈川県のシラス漁は4~6月の春漁と7月以降の夏秋漁があり、1月1日~3月10日の期間はアユの稚魚を保護する目的で禁漁期間になっています。
シラスは地引網漁と船曳漁で漁獲があり、漁業対象となるイワシ類のシラスはカタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシの3種類。近年ではカタクチイワシの数が多いようです。ただし、春漁ではマイワシがメインになるといいます(神奈川県-おさかな図鑑(シラス))。
湘南で水揚げされるシラスは全国的にも有名です。湘南シラスは神奈川県のプライドフィッシュに選ばれている他、「かながわブランド」や「かながわ名産100選」にも選ばれています。水揚げされたシラスは釜揚げしらす、たたみいわし、生シラス丼など様々な料理で食べられており、沿岸部には新鮮なシラスを使った料理が食べられる飲食店が数多く存在します。特に新鮮な生シラスは産地でしか食べられない料理と言えるでしょう。
また、近年、収穫・加工・販売が合体した六次産業という言葉が生まれましたが、それ以前から神奈川県のシラス業者は漁獲、加工、販売を自ら行ってきました。これにより新鮮な生シラスやシラス加工品を直売することが可能になり、地元民からはもちろんのこと県外からも新鮮なシラスを求める人々がやってきます。
神奈川県のシラス漁は年末まで。禁漁期までは新鮮なシラス料理が県内各地で楽しむことができます。
(サカナト編集部)