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<橋や港湾施設>老朽化インフラ補修に「水環境保全」の視点 “封じ込め型補修”で環境負担を減らす?

鹿児島市に本社を置く株式会社WHiTEは、河川・海域・港湾・漁港周辺など水域に近接する橋梁(きょうりょう)や鋼構造物を対象に、新たな補修方法を提案する水性補修材料「WHシリーズ」の公共インフラ分野での提供を開始しました。

近年、橋梁補修などでは安全性の確保だけでなく、河川や海域への影響、漁業資源への配慮といった環境面の課題も重要視されています。

既存塗膜を活かす「封じ込め型補修」

橋梁や鋼構造物の塗り替え工事では、劣化した塗膜を全面的に除去し、新たな塗装を施す工法が一般的です。

一方、全面剥離には多くの費用や工期を要するほか、塗膜片や粉じんの飛散、産業廃棄物の発生といった課題も伴うといいます。

WHiTEが提案するWHシリーズは、既存塗膜の状態を確認したうえで、健全な塗膜を残しながら補修を行う工法。フッ素塗料など既存の溶剤系塗膜の上から施工できることが特徴で、不良部や錆びた部分を処理し、水性補修材料で保護層を形成します。

同社によると、この手法は全面剥離を伴う工法と比較して、剥離作業や廃棄物処理の負担を抑えられる可能性があるほか、施工時の環境負荷軽減にもつながるとしています。

コスト削減と環境負荷低減の両立を目指す

公共インフラの補修工事では、材料費以上に塗膜除去や下地処理、足場設置、交通規制などの施工コストが大きな割合を占めるケースがあるといい、特に鋼橋の塗り替え工事では下地処理工程が工事費全体を押し上げる要因となることが少なくないそうです。

同社が公表した比較データでは、従来工法を水性補修仕様へ変更した場合、工程全体で一定のコスト低減余地があるとしています。

イメージ(提供:PhotoAC)

また、既存塗膜を活用することで、塗膜片や粉じんの発生抑制、産業廃棄物削減、水域への落下リスク低減といった効果も期待されています。

こうした背景から、橋梁下の河川や海域への影響を懸念する漁業関係者からも関心が寄せられているといいます。橋梁補修を単なる維持管理工事ではなく、水環境の保全にも配慮した取り組みとして捉える考え方が広がりつつあるようです。

公共インフラ向け性能の検証も進む

WHシリーズは、下地強化用プライマーや防錆・防水材、断面修復材、トップコート材などを組み合わせることで、橋梁やトンネル、コンクリート構造物など幅広い用途に対応。水性材料であることから、有機溶剤の使用量削減や臭気対策、作業環境の改善にも寄与するといい、トンネルや地下施設、河川・海域周辺の構造物など、環境配慮が求められる現場での活用が期待されています。

同社によると、WHシリーズは現在、千葉県や石川県、福井県、三重県、鹿児島県、沖縄県などで公共性の高い補修案件への採用や検討が進行。老朽化インフラの維持管理が全国的な課題となるなか、構造物の長寿命化に加え、水環境や地域社会への影響にも配慮した補修技術として注目を集めそうです。

(サカナト編集部)

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