アゴアマダイ科は、砂底や礫底に巣穴を作るといった少し変わった暮らしをしている魚の仲間です。
現在、日本のアゴアマダイ科ではアゴアマダイやニラミアマダイなど20種以上が知られていますが、近年は新種や日本初記録種が相次いで報告されているグループでもあります。
今回、琉球大学の研究グループが日本初記録種として報告した Opistognathus erdmanni もその1つです。
ユニークな習性を持つアゴアマダイ科の魚たち
アゴアマダイ科は暖海域に分布するグループで、砂礫底に巣穴を掘って暮らすユニークな習性を持っています。
外国産のアゴアマダイ科(提供:PhotoAC)見た目も可愛らしいことから観賞用として需要があり、「ジョーフィッシュ」という呼称で人気の魚です。日本産アゴアマダイ科魚類は、アゴアマダイやニラミアマダイをはじめ20種以上が知られています。
新種や日本初記録種も多く報告されている
アゴアマダイ科というと見た目や習性のインパクトもさることながら、近年、新種や日本初記録種が多く報告されてる分類群でもあるのです。
直近では、2025年に新種記載されたシモフリカエルアマダイとサラシカエルアマダイ、少し前だと2018年に日本初記録として報告・和名提唱されたホシカゲアゴアマダイが例として挙げられます。
宮古島沖で採集されたアゴアマダイ科魚類
アゴアマダイ科の新種や日本初記録種の報告が相次ぐ中、琉球大学の研究グループは宮古島沖から採集されたアゴアマダイ科魚類を日本初記録として報告しました。
宮古島(提供:PhotoAC)この標本は2025年5月、長崎大学附属練習船「長崎丸」による調査(小型底引き網)で採集された標本で、Opistognathus erdmanni と同定されています。
世界で2例目の記録
本種は2023年にミャンマー沖のアンダマン海の水深50~55メートルから得られた標本に基づき新種記載されたアゴアマダイ科ですが、新種記載されて以降、追加標本は得られていませんでした。
そのため、今回宮古島沖から採集された Opistognathus erdmanni は日本および太平洋で初記録となると共に、本種における世界で2例目の記録となったのです。
本種は、本標本の背びれの暗色班から下へ延びるやや緑色がかった横帯、背びれ縁辺の黄色域が「木漏れ日」を想起させることに因み、新称コモレビアゴアマダイの標準和名が提唱されました。
謎が残る沖縄の海
今回の研究によって、日本産アゴアマダイ科魚類がまた1つ増えました。
沖縄の海はまだまだ謎が残されているとのことなので、今後も魚類分類学から目が離せません。
この研究成果は「魚類学雑誌」に掲載されています(論文タイトル:宮古島沖から得られた日本初記録のコモレビアゴアマダイ(新称) Opistognathus erdmanni(アゴアマダイ科))。
(サカナト編集部)