ホーム・アクアリウムや水族館できっと誰もが一度は目にしたことがあるであろう熱帯魚、ネオンテトラ。ですが、その魚は本当に「ネオンテトラ」でしたか?
この記事では、ネオンテトラの特徴と、よく似た魚カージナルテトラとの違いについて紹介します。
ネオンテトラってどんな魚?
ネオンテトラとは、南米・アマゾン川流域に生息するカラシン目カラシン科の小型淡水魚。非常に美しい体色が特徴で、古くより観賞魚として流通している魚です。「もっとも有名な熱帯魚」「熱帯魚のシンボル的な魚」とも言えるのではないでしょうか(あ、強力なライバルグッピーがいるか……)。
成魚の体長はおよそ3~4cmほど。弱酸性の水質を好みますが、幅広い水質に対応可能、エサは冷凍アカムシや人工飼料などなんでもよく食べ、温和な性質のため飼育も容易……とマニュアル通りの説明はさておき、こちらがその写真です。
小さな透明の体に、光るネオンのような青い縦線と、尾びれから腹部まで伸びる赤色の縦線が特徴です。
写真を見ていただければ「あぁ! どこかで見たことがある魚だ!」という方も多いのではないでしょうか。
よく似た魚「カージナルテトラ」との違いは?
ネオンテトラとよく似た熱帯魚にカージナルテトラという種が存在します。
ネオンテトラと同じくカラシン科カラシン属に属している魚で、姿かたちもそっくり。ネオンテトラと同じく、小さな透明の体に青い縦線、そして腹部の赤色で構成された魚です。
模様が少し違うような……これは気のせいや個体の個性ではなく、種による違いなのです。では、先ほどのネオンテトラとこのカージナルテトラ、どのような見分け方があるのでしょうか?
ネオンテトラとカージナルテトラの見分け方は?
ネオンテトラとカージナルテトラの見分け方を紹介します。
1.赤い部分の面積
ネオンテトラでは腹部の後ろ半分が赤いのに対し、カージナルテトラでは顔の近くまで腹部全体が赤く染まります。
これがもっとも分かりやすい識別ポイントといえます。
2.大きさ(体長)
ネオンテトラと比べ、カージナルテトラの方が0.5~1cmほど大きく成長します。とはいえ未成魚が混じっていることもあるので、これは見分け方としてはちょっと不確実。
3.見た目の華やかさ
「赤い部分の面積が大きくて」「サイズもちょっと大きい」ので、カージナルテトラの方が見た目がちょっとゴージャスです。見慣れてくると赤い部分の面積をいちいち注視しなくても、この「なんとなくゴージャスな雰囲気」で瞬時に判別できるようになるとか。
見た目の違い以外にも、
- ネオンテトラはアマゾン川流域に広く分布。
- カージナルテトラはアマゾン川の支流の1つ「ネグロ川」流域に分布。
- 飼育方法や難易度はほぼ一緒。
- 店頭での販売価格は、カージナルテトラの方がやや高価なことが多い。
といった相違点や共通点があります。
また、かつては「ネオンテトラはほとんどが養殖(ブリード)個体、カージナルテトラはほとんどが野生(ワイルド)個体」という流通上の違いもありました。2000年代ごろまでにはカージナルテトラについても商業養殖技術が確立したらしく、現在では養殖個体も多く流通しています。
なお、ネオンテトラを世界で初めて繁殖させたのは牧野信司氏という日本人だと言われています。
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