アクアリウムフィッシュとしてのサザナミヤッコ
サザナミヤッコは丈夫で美しく、ヒトにもよく慣れるため各地の水族館で飼育展示されています。
非常に長寿であることも知られ、フランスのナンシー水族館では近縁のロクセンヤッコが40年も飼育されたことがあります(アメリカ・リーフビルダーズの記事:https://reefbuilders.com/2012/08/27/sixbar-angelfish-nancy)より。
一般家庭の水槽でも飼育されることがありますが、成魚は最低でも幅120センチ以上の水槽で飼育する必要があります。そのため長期飼育できる環境を整える必要があるといえます。もちろん、大きくなって飼えなくなったからといって、海に放流してはいけません。
食用魚としてのサザナミヤッコ
サザナミヤッコはアクアリストに人気がある魚ですが、沖縄では食用魚でもあります。海藻類や付着藻類を食べているため、内臓のにおいは強いのですが、身はこのように白身で美味しいものです。
基本的には琉球列島で漁獲されることが多いのですが、この個体は鹿児島県の本土沿岸で漁獲されたもので、本土でもまれに水揚げされるようです。九州の甘い醤油がよくマッチしていました。
このほか沖縄ではロクセンヤッコという近縁種もおり、この種も食用となっています。沖縄ではチョウチョウウオ科・キンチャクダイ科ともに地方名は「かーさー」です。
サザナミヤッコとわたしたち
サザナミヤッコは食用としても観賞魚としても有用な魚で、わたしたちとかかわりが深い魚です。
九州以北ではなかなか水揚げされているところは見られませんが、見かけたら食してもよいでしょう。
(サカナトライター:椎名まさと)
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