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スギは美味しい魚 沖縄県などで養殖も

スギは美味しい魚として知られ、身質はカンパチによく似ており、従来は「くろかんぱち」や「とろかんぱち」などと呼ばれてきましたが、現在では水産庁からの通達により、これらの名称は使用してはいけないとされています

スギの刺身(撮影:椎名まさと)

現在では沖縄県などで養殖され、「琉球スギ」やら「沖縄スギ」などという名前で売り出し中です。

私は以前にスギを購入して食べたのですが、身は極めて美味、脂の乗りはあまり感じませんでしたが、天然のスギであったため、養殖のものよりも控えめといった感じでした。身質もカンパチなどのブリ属に似ていました。

私とスギの思い出

筆者がはじめて生きたスギを見たのは子どものころでした。オープンして間もない大阪海遊館に母親に連れて行ってもらったとき、スギが大水槽の中を泳ぎ回っていたのでした。

しかし当時図鑑に載っていたスレンダーなスギとは違う見た目で驚きました。まさにサメのような姿をしていたために、しばらくは「スギ」という名前の魚は硬骨魚のスギと、サメの一種のスギの2種類がいると思っていたのでした。

しかしやがて本を見たり、高校の文化祭(筆者の高校は水産高校であり、文化祭では水槽展示を行った)で実際に飼育したりしたことで、その「サメの一種のスギ」は、単に硬骨魚のスギの太った個体であったことがわかりました。

スギと近い関係にあるとされるコバンザメも同じように丸々太った個体を見たことがあり、昔の人はこのような丸々太ったコバンザメを見て、サメのように思ったから「コバンザメ」という名前をつけたのかもしれない、とも思ったものです。

(サカナトライター:椎名まさと)

参考文献

下瀬 環.2021. 沖縄さかな図鑑.沖縄タイムス社,那覇.208pp.

高松史朗. 1967. マダラエイに随伴して遊泳するスギ.魚類学雑誌.14:4/6.183-186.

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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