オニハタタテダイ Heniochus monoceros Cuvier,1831
オニハタタテダイは日本で相模湾以南の太平洋岸、琉球列島、小笠原諸島に見られる普通種です。タイプ産地はモーリシャスで、インド~太平洋のサンゴ礁域に広く分布していますが、紅海やハワイ諸島には生息していません。
全長25センチをこえる大型の種です。背鰭棘はあまり伸びておらず、体全体が四角い印象を受けます。また頭部後方に角のような突起も見られます。本種は眼を通る暗色帯が背鰭起部付近から始まり、背鰭棘条の前方2棘は黒っぽくなっているという特徴があり、近縁種のシマハタタテダイと識別できます。
観賞魚として飼育され、大きく育った成魚は迫力満点。しかしながら、上手く飼うのには小さくても幅120センチ以上の水槽がほしいところです。また大型になる事から食用魚としても販売されることもあります。
シマハタタテダイ Heniochus singularis Smith and Radcliffe, 1911
シマハタタテダイはハタタテダイ属では最大とされる種で、全長28センチにもなります。
タイプ産地はフィリピン・ルソン島近辺のアリビジャバン島です。日本では相模湾以南の太平洋岸、琉球列島に見られ、国外ではモルディブ~サモア諸島までのインド~中央太平洋に分布します。
オニハタタテダイによく似ている種です。しかし眼を通る帯がオニハタタテダイでは背鰭起部付近から下方に伸びるのに対し、シマハタタテダイでは眼の上方付近から下方に伸びているので見分けられます。
また体側の2本目、3本目の黒色帯はオニハタタテダイよりもぼやけて見えます。本種も観賞魚として飼育されますが、オニハタタテダイよりも入荷は少ないといえます。