夏祭りに行くと、必ずと言っていいほどあるのが「金魚すくい」。皆さんが迎えたその金魚たちが一体どこ生まれなのか、ご存じでしょうか?
この記事では、日本の金魚養殖の歴史と、日本三大金魚産地についてご紹介します。
金魚のルーツと養殖の歴史
元々金魚は、今から約2000年前に中国で野生のフナが赤色に変化したことがきっかけで誕生しました。
日本には室町~戦国時代に渡来したとされていますが、当時は高級品で、貴族ぐらいしか飼うことができなかったようです。
しかし江戸時代に入ると、丸いガラス容器に入れて金魚を鑑賞する文化が徐々に庶民の間に浸透し、一般の人々も金魚を飼育するようになりました。
現在では、日本だけでも30種類ほどの金魚が飼育されていると言われています。
日本三大金魚産地とは
日本では、奈良県大和郡山市、愛知県弥富市、そして東京都江戸川区が“金魚の三大産地”と呼ばれています。
しかし江戸川区周辺は都市開発が進み業者の数も減っているため、現在は熊本県長洲町が新たな産地として注目されています。
産地ごとの特色と魅力
根強い人気の「江戸川琉金」
東京都江戸川区は今でこそ業者の数が減っているものの、江戸川産の琉金(リュウキン)は「江戸川琉金」と呼ばれて根強い人気があります。
丸々とした身体は病気に強く、実は筋肉質。「らんちゅう」は“金魚の王様”と呼ばれていますが、江戸川琉金はさしずめ“金魚界の横綱”といったところでしょうか。
高級金魚を生産する愛知県弥富市 競りも見学可能
愛知県弥富市は、あらゆる品種の高級金魚を生産しています。現在も市内には3か所も金魚市場があり、繁忙期には週3回も金魚の競りが行われています。
この競りは弥富市歴史民俗資料館に申し込めば誰でも見学可能なので、弥富市にお出かけの際は一風変わった競りの様子を見に行くのもオススメです。
金魚すくいでお馴染みの「小赤」を生産する奈良県大和郡山市
奈良県大和郡山市は、金魚すくいでお馴染みの「小赤」という品種を大量に飼育しています。
毎年金魚すくいの全国大会も行われており、夏になると街は金魚一色。大和郡山駅徒歩15分の商店街は金魚ストリートと呼ばれ、なんとテレビや自動販売機の中に金魚がいるので驚きです。
訪れてほしい金魚三大産地
金魚すくいやペットショップで見る金魚たちの世界は実に奥深いものです。
この記事を見て気になった方は、ぜひ金魚三大産地に訪れてみてはいかがでしょうか。水の中をゆらゆらと泳ぐ金魚たちに、癒しや元気をもらえるはずですよ。
(サカナトライター:桐田えこ)