静岡県沼津市戸田(へだ)では、9月12日に2024年度の深海底引き網漁が解禁されました。
日本で最も深い湾である駿河湾は深海生物を狙った漁業が盛んであり、戸田では古くから底引き網漁が行われています。
この記事では戸田の底引き網漁で漁獲される海産物たちをご紹介します。
世界最大のカニは戸田の特産
世界最大のカニとして知られるタカアシガニ。
このカニは日本やその周辺に生息する大型の甲殻類で、足を広げるとその大きさは3メートルにもなります。
本種は水族館でも見られる種であることから、知名度も高く深海=タカアシガニというイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。
戸田の底引き網漁ではこのタカアシガニが漁獲されており、高値で取引されています。
おすすめの食べ方は蒸しカニ、しゃぶしゃぶなどであり、地元の飲食店や旅館で提供されるなど戸田を代表とする特産の一つとなっています。
小さいけど味は抜群
アオメエソは水深150~620メートルに生息する小魚です。
各地の底引き網漁で漁獲されており、戸田でも「トロボッチ」または「メヒカリ」の名で親しまれています。アオメエソは小型ながら味が濃厚。定番の料理は唐揚げや素焼きですが、高鮮度のものは刺身や寿司でも食べても非常に美味。
かつて、知名度の低い深海魚でしたが、現在は味がの良さから日本各地の魚屋で見られるなど、全国的に定番の魚となってきています。
見た目は怖いけど味は良し?
深海底引き網漁ではソコダラ科の魚が多く見られ、中でもトウジンは大型になることから食用として流通します。
戸田の底引き網でもトウジンが漁獲されており、地元では「ゲホウ」の名で親しまれています。本種はしばしば見た目がグロテスクと言われてしまいますが、風味はタラに近く様々な料理に合う万能な深海魚です。
また、水分が多く鮮度の低下が早いことから刺身は産地でしか味わえないものとなっています。
多種多様な深海生物が漁獲される戸田の底引き網漁
この記事で紹介した深海生物はごく僅かであり、戸田の底引き網漁ではこれら以外にも多種多様な深海生物が漁獲されています。
メヒカリのように各地に流通する魚もいますが、中には地元やその周辺のみでしか流通しないものもある他、高鮮度のものは産地でしか食べられません。
戸田の底引き網漁は9月から翌年の5月かけて行われます。この機会に是非、戸田の深海魚を食べてみてはいかがでしょうか。
(サカナト編集部)