寿司は日本を代表する食文化であると同時に、国内外で拡大を続ける巨大マーケットでもあります。
クロスメディア・パブリッシングから発売中の書籍『寿司ビジネス』(著:ながさき一生)は、寿司ネタの生産・流通から店舗運営、海外市場、そしてテクノロジーまで──「なぜ寿司は世界でここまで愛されるのか」「この先どこへ向かうのか」をビジネスの視点から見渡せる1冊です。
寿司ビジネス(提供:クロスメディアグループ株式会社)5億円マグロはなぜ5億円なのか?
本書の入口として象徴的に取り上げられるのが、豊洲市場の初セリで話題になった「5億円マグロ」。2026年1月5日、青森県大間産のクロマグロ(本マグロ)が1本5億1030万円で競り落とされました。
寿司ネタになる魚1匹の値段として、世界最高額と言ってよい金額のクロマグロ。希少性、品質、物語性──そのすべてが重なった上で、あの価格が生まれたといいます。
寿司(提供:PhotoAC)しかも、このマグロは特別な価格で提供されたわけではありません。すしざんまいの築地本店で、来店客に「赤身398円」「中トロ498円」「大トロ598円」という通常価格で振る舞われました。
“史上最高額”というニュースが駆け抜けたあとに残るのは、価値が独占されず、広く共有されていくという事実です。本書は、こうした寿司産業の“いま”をビジネスの視点からたどります。
「おまかせ」が寿司を“体験”に?
日本国内に限らず、海外の人が寿司に強い印象を受ける理由は、味だけではないそうです。
「静かな空間だった」「時間の流れ方が違った」「職人との距離が印象的だった」──寿司が、食事を超えた総合的な“体験”として受け取られていることがうかがえます。
そこで鍵になるのが、寿司店でよく耳にする「おまかせ」という言葉。寿司の価値を最大化するための、日本独特の文化的な仕組みとして位置づけられています。
本書は「おもてなし」の文化とあわせ“体験”としての寿司のありかたや、その土台を解き明かしていきます。
さらに、寿司ロボットやAI需要予測、AIによる目利きといった技術の進展にも触れるなど、寿司業界関係者はもちろん、日本文化や食ビジネスの現在地を知りたい方にも、いま押さえておきたい一冊です。
(サカナト編集部)