キンメダイは深海に生息する魚ですが、釣りや延縄漁業により漁獲され、食用魚として良く知られています。
そんなキンメダイによく似た名前を持つ魚に「ギンメダイ」という魚もいます。
ギンメダイとは果たしてどんな魚なのでしょうか。
キンメダイとは
キンメダイは国内においては北海道以南の太平洋岸、新潟県、富山県、長崎県、伊豆諸島近海まで広い範囲に分布し、海外においても三大洋に広く分布している魚です。
大型種で全長50センチになります。
京都で購入したキンメダイ(提供:椎名まさと)主に水深200~800メートルの岩礁域に生息し、深海釣りや深海延縄漁業、底曳網漁業などで漁獲される主要な漁業対象種です。
名前がよく似たギンメダイ
一方、キンメダイとよく似た名前の魚であるギンメダイ Polymixia japonica Günther,1877 は、日本においては福島県以南の太平洋岸から九州南岸、九州西岸、東シナ海、海外では台湾、ハワイ諸島に分布している硬骨魚です。
ギンメダイ(提供:椎名まさと)キンメダイよりもやや小型で、全長25センチほど。水深150メートルよりも深い砂泥底などに生息する深海魚で、底曳網漁業などによって、ときに多量に漁獲されます。
キンメダイとギンメダイの見分け方
キンメダイとよく似た名前の魚であるギンメダイですが、実際はキンメダイとは大きく異なる姿をしています。
まず、キンメダイは赤い体が目立ちますが、ギンメダイの体色は銀色でキンメダイとひと目で違いがわかります。
キンメダイとギンメダイの背鰭形状の違い(提供:椎名まさと)次に背鰭です。
キンメダイは背鰭基部が短く、鰭条も4棘(キンメダイ科では5~7本の鰭条を持つものもいる)と13~15本の軟条をもちますが、ギンメダイでは5本前後の背鰭棘条と31~35本の軟条となっています。
そしてその分、キンメダイよりも背鰭が長いといえます。
ギンメダイ科の魚の下顎にはひげがある(提供:椎名まさと)そして、最大の特徴といえるのが下顎にあるひげです。ギンメダイの仲間は下顎に、キンメダイには存在しない1対2本のひげを持っているのです。
このひげの使い道としては、同じく下顎に1対のひげをもつヒメジ科の魚と同様に、砂泥の中にひそむ餌をさがすためにこのひげを使うものと思われます。
なお、ほかのギンメダイ科魚類についても、キンメダイとの見分け方については特に違いはありません。
ギンメダイの分類
ギンメダイ目の魚はインド洋・大西洋、および西-中央太平洋の深海に広く分布していますが、いま生きているものはギンメダイ科、そしてギンメダイ属の魚のみで、その種数も10種ほどと少ないです。
日本産のギンメダイ科・ギンメダイ属魚類は、ギンメダイ・アラメギンメ・キララギンメ、そしてオカムラギンメの計4種が知られています。
キララギンメ(提供:椎名まさと)なお、名前に「●●ギンメ」とついていても、ギンメダイ科と異なるグループの魚もいます。
たとえば、底曳網漁業によってたまに漁獲されるナカムラギンメ科の魚は標準和名に「ギンメ」とついているもののギンメダイ目の魚ではありません。
従来はナカムラギンメはキンメダイ目のなかに含められていたものの、Nelson et al. (2016)などでは、やはり従来キンメダイ目に含められていたヒウチダイ科やマツカサウオ科などとともに、Trachichthyiformesの中に含められています。
同じく「ギンメ」とつくヨロイギンメScopelogadus mizolepis mizolepis (Günther, 1878)という魚も同様で、こちらはキンメダイ目のカブトウオ科に含まれる魚種。ただこのカブトウオ科魚類というものも従来はカンムリキンメダイ目という、また別の目に含まれていたのでした。
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