マッコウクジラの腸内に発生する結石「龍涎香(アンバーグリス)」 。独特の香りと希少性から高級な香料としても知られています。
龍涎香の鑑定・研究などを行う有限会社アンバーグリスジャパン(愛知県名古屋市)と奄美海洋展示館は6月28日、「古(いにしえ)の天然香水、龍涎香を使って復活」と題した講演会を実施します。
会場は奄美海洋展示館。参加費無料・予約不要のイベントで、当日参加も可能です。
マッコウクジラの腸内で生成される分泌物
龍涎香はマッコウクジラが消化管内で形成し、海中に排出した後、数十年以上かけて海を漂いながら香りを育てていく天然物質です。
2025年11月、アンバーグリスジャパンは奄美市へ龍涎香を寄贈し、奄美海洋展示館は常設展示を開始しました。
奄美海洋展示館に常設展示中の龍涎香実物(提供:有限会社アンバーグリスジャパン)龍涎香の実物展示と香り体験
講演会では龍涎香の見分け方、歴史的な香料文化、天然香水への現代的な応用を、実物展示と香り体験を交えて紹介します。
具体的には、龍涎香とは何か、マッコウクジラと形成過程の基礎知識、漂着物としての龍涎香で海岸で見つかる可能性と見分け方、また古の天然香水で歴史上の香料文化における龍涎香の役割、現代への応用としてバリーバリーの非加熱フレグランスと龍涎香を使った天然香水について取り上げらるといいます。
また、体験パートでは龍涎香そのものの試香(樹脂・オイル・スプレー)、非加熱フレグランスの試香、質疑応答と龍涎香常設展示のミニツアーが行われます。
奄美海洋展示館内のリベレーションブランド「バリバリー」による龍涎香フレグランス展示とクジラ骨格標本(提供:有限会社アンバーグリスジャパン)当日は同社が展開するリベレーションブランド「バリーバリー」の非加熱フレグランスを用い、龍涎香を現代の天然香水として体験可能。「海が綺麗になる香水」という考え方のもと、ビーチコーミングやビーチクリーンと龍涎香の接点にも触れるそうです。
奄美を「龍涎香に出会える場所」に
アンバーグリスジャパン代表の吉田恭隆氏は、龍涎香は海岸に流れ着く不思議な漂着物であり、古くから人の感覚をひらいてきた香料でもあるとした上で、「浜をきれいにすること、地域の文化として次に伝えることまで、一緒に考える時間にしたい」とコメントしています。
同社は、海洋教育やビーチクリーン、地域資源化の取り組みを全国へ展開していく考え。今回の講演会で展示・教材・体験のモデルケースを整理し、全国の水族館・教育機関・海洋関連団体との連携を目指す方針です。
(サカナト編集部)