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サメ好き&魚好きが大集結! サカナブックス4周年記念イベント「お誕ジョーズ2026」開催レポート

東京都新宿区にあるサカナに特化した小さな本屋<SAKANA BOOKS(サカナブックス)>は7月12日、グランドオープン4周年を記念したイベント「お誕ジョーズ2026」を開催しました。

バイオロギングを用いた最新サメ研究に関するトークショーや新刊のサメ関連書籍のパネル展、魚のヒレをキーホルダーにするワークショップなどが行われた当日の様子をレポートします。

今年もメインテーマは「サメ」

SAKANA BOOKSは、サカナをはじめとした水生生物に関する書籍・雑貨に特化した本屋。図鑑や書籍、絵本はもちろん、ハンドメイド作家やクリエイターによるサカナ・水生生物をモチーフにした作品・雑貨、缶詰などの水産加工品も販売しています。

2022年7月、釣り情報メディアを運営・発行する株式会社週刊つりニュースの東京本社1階(東京都新宿区愛住町18-7)にグランドオープンし、今年7月で4周年を迎えました。

メインプログラムは<バイオロギングによる最新サメ研究トーク>

会場には、サメをはじめとしたサカナ好きのみなさん50人以上が集結しました。

メインプログラムは、今年4月に刊行された『中公新書 鳥は飛びながら眠る 超小型センサーで覗く野生動物の私生活』(中央公論新社)の著者である総合研究大学院大学統合進化科学研究センター教授・渡辺佑基さんによるトークショー

バイオロギングを用いたサメの最新研究に関して、子どもでも分かりやすいように語りました。

また、魚のヒレ(=ウオヒレ)を愛する、ウオヒレウロ子さんによるワークショップ&ミニトークも実施。

さらには、SNSでも話題になっている絵本作家/イラストレーター・こたさんの最新作『サメくらべ図鑑』(扶桑社)に関するパネル展のほか、サメタッチコーナーも設置されました。

バイオロギングが明かすサメの生態とは?

渡辺佑基さんによるトークショーのテーマは「バイオロギングが明かすサメの生態」です。

渡辺さんはバイオロギングについて、「“バイオ”とは“生物”、“ロギング”とは“記録する”で、つまり“生物記録”といったような意味。動物の体に機械をつけて、そのセンサーでいろいろなものを計測して、行動や体の状態、環境などを測る研究です」と説明します。

さらに、スマートフォンを例に出し「(今のスマートフォンには)GPSやビデオカメラ、それから傾きを検知するような加速度センサー、コンパスなどが入っている。そういった小型センサーの技術が進んでいるので、それを海の動物の生態研究に生かそうというのが、我々としてのアプローチ」と補足しました。

たまたま釣れたヒラシュモクザメ

渡辺さんは研究成果の中から3つの事例を取り上げ、実際に調査で撮影された映像などを交えながら説明しました。

その中で、予想とは全く違う結果が出たものの、それはそれで面白かった事例として挙げたのが、ヒラシュモクザメに関する研究です。

オーストラリアでイタチザメの研究をしていた渡辺さん。同種を釣りで狙っていたところ、針にかかったのは世界で最も大きいシュモクザメの仲間であるヒラシュモクザメでした。ヒラシュモクザメが釣れるのは非常に珍しいといい、急遽背鰭に機械をつけて逃しました。

渡辺さんは、「魚を対象としているため、狙った種類を確保できるとは限らないのが面白いところ」だと語ります。

シュモクザメの奇妙な泳ぎ方?

偶然に釣れたヒラシュモクザメに付けた機器から得られたデータの中に、加速度(速度の変化や傾き、振動など)に関するものがありました。これを分析すると、体を右に60度ぐらい傾けて泳ぎ、しばらくすると今後は左に60度ぐらい傾けて泳いでいたことがわかったといいます。

渡辺さんはヒラシュモクザメの背鰭が大きいことに着目し、普段は胸鰭で揚力を得ているものの、傾いた時には背鰭が“第3の胸鰭”として機能していると考えました。流体力学が専門の共同研究者と模型を用いた実験を行うと、横に60度ぐらい傾いた時に、上向きの力、揚力が効率よく発生すると判明したそうです。

つまり、ヒラシュモクザメは一番楽な姿勢として、横に傾きながら泳いでいることが判ったのです。

研究を発表すると、他にもヒラシュモクザメが傾いて泳いでいることがわかる動画が見つかったり、別の研究チームがアカシュモクザメでも同様のデータを取得したりと反響があったといいます。

研究成果が教科書に掲載

そのほかにも、サメの中でも世界で1番冷たい海にすむニシオンデンザメの研究では、泳ぐ速さの平均が時速1kmというスローライフを送っていることが判明。

この研究については、昨年4月から中学1年生の国語の教科書に取り上げられたといい、渡辺さんは「今の中学1年生にとっては、ニシオンデンザメがかなり有名になっている」と、その成果について笑顔で語りました。

また、現在進行形の研究として、分布が広いことが知られているヨシキリザメが、日本周辺ではどういった移動をしているのかを調査していることを明かしました。

トーク終了後のサイン会でも、参加者からの質問に丁寧に答えているのが印象的でした。

ウオヒレストラップを作る

トークショーに先んじて行われたワークショップでは、10組の参加者が魚の鰭を活用した「ウオヒレストラップづくり」に挑戦しました。

講師を務めるウオヒレウロ子(本名:山辺恵美子)さんは、東京・銀座にある『すし処志喜』の女将。店で仕入れる魚のヒレの美しさや多様さに魅せられ、2022年からウオヒレの魅力を発信する活動をしています。

参加者はまず、乾燥させたウオヒレから気に入ったものを選択。

続いて、筆を使用して鰭の全体にレジン液を塗っていきます。

UVライトで硬化させて、最後に穴を開けて金具を通して完成させました。

きっかけは「魚を大切に扱うために何ができるか」

これまでに100種類以上の魚の鰭を集めてきたというウオヒレウロ子さん。活動のきっかけは、「できる限り魚を大切に扱うために何ができるか」という思いでした。

そこで考えたのが、これまでは捨てていた魚の鰭を切り取り、洗って臭いとぬめりを取り、干して乾燥させることだったといいます。

一番好きなのはどの魚の鰭かという質問には「ハタ類」を挙げ、「胸鰭が丸く、安定感がある。そして何より赤色が鮮やか」と回答。今後取り組んでみたいことは、胸鰭と腹鰭が左右で対になっていることから「アクセサリーづくりに着手したい」と話しました。

また、「私みたいな人が47都道府県にいたら、北海道の魚で作ってもらったり、沖縄の魚で作ってもらったり、それぞれの魚でできたら、それはすごいこと」と話し、様々な業界で仲間を増やしたいと展望を語りました。

トークの中で特に印象的だったのが、「魚をどこまで愛せるか」という言葉でした。

『サメくらべ図鑑』パネル展も盛況

「お誕ジョーズ2026」で注目されたプログラムがもう一つあります。

それが、絵本作家/イラストレーター・こたさんの著作『サメくらべ図鑑』に関するパネル展です。

多くの参加者が、こたさんの描く的確に特徴をとらえたサメたちのイラストに見入っていました。

また、最新刊目当ての人も多数参加。サイン本を手にして喜んでいる姿がありました。

恒例企画?サメタッチコーナー

お誕ジョーズで恒例企画となっているサメタッチコーナーが、今年も設けられました。

今回新たに用意されたのは、フトツノザメ

主に深海に生息するサメで、背鰭に2つ大きなトゲがあるのが特徴です。なお、近年の研究によって、フトツノザメには複数種が含まれていることが示されているといいます。

昨年に引き続きカスザメも展示され、参加者は実際に触りながら観察していました。

今年7月に新発売!「サメのスナック」を配布

株式会社おやつカンパニーよりご提供のあった新商品「素材市場 サメのスナック(から揚げ味)」が、イベント参加者に配布されました。

同社は2025年、流通量が少ない“低流通魚”に着目し、その魅力を発信することで持続可能な漁業を応援する「モッタイナイおさかな活用計画」プロジェクトを始動。同年10月には第1弾として、コノシロを使用した「素材市場さかなのスナック(コノシロ 香ばし醤油薫る、竜田揚げ味)」を発売しました。

今回の「素材市場 サメのスナック(から揚げ味)」はプロジェクト第2弾の商品で、気仙沼港で水揚げされたモウカザメを使用しています。

同種は主にフカヒレの原料として利用され、気仙沼市ではヒレ以外の部位も魚肉練り製品などとして有効活用されてきました。しかしながら、全国的にはサメの認知が低く、加工などのコストを含めた適正価格での販売は難しく、苦慮している状況にあったそうです。

こうした中、サメの知名度や価値向上、ひいては気仙沼の漁業の活性化も目指し、商品化に至ったといいます。

受け取った参加者からは、「こんなスナック菓子があるんだ」「サメの身を使っているのか」という驚きの声が挙がっていました。

サカナへの探究心と愛の強さ

「お誕ジョーズ2026」ではサメをメインテーマに多様なプログラムを実施しましたが、ゲスト・著者、そして参加者のみなさんに共通するのは“サカナに対する探究心”だと感じました。

そして、探究心とは、人によっては“愛の強さ”とも言えるのかもしれません。

SAKANA BOOKSはこれからも、サカナが好きなみなさんの探究心に応えられる場を目指します。

(SAKANA BOOKS/サカナト編集部)

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