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約7000万年前の地層から発見!<クモヒトデ化石>が新属新種と判明 北九州市立いのちのたび博物館で標本展示

約7000万年前の白亜紀後期の地層から見つかったクモヒトデ化石が、新属新種「エナコスファルマ・ナガシマイ(Enakosphalma nagashimai)」であることが明らかになりました。

北九州市立いのちのたび博物館などによる共同研究の成果で、現生では深海に生息するアヤマチクモヒトデ科としては世界で初めて確認された白亜紀の化石。実物標本は7月31日から同館で公開されています。

研究成果は学術誌「Paleontological Research」に掲載されています(論文タイトル:A new brittle star (Echinodermata: Ophiuroidea) from the uppermost Cretaceous of Wakayama Prefecture, Japan provides insights into deep-sea colonization by the extant family Ophiosphalmidae)。

CTスキャンで岩石内部を非破壊解析

今回の化石は、和歌山県有田郡有田川町久野原に分布する約7000万年前の地層から発見されました。

北九州市立いのちのたび博物館が所蔵する標本をもとに、国内外の研究機関が共同で調査を実施した結果、新属新種のクモヒトデであることが判明しました。

国内でクモヒトデ化石の新属が報告されるのは2例目で、近畿地方では初めてとなる新種の報告です。

CTスキャンにより明らかになった化石の姿(提供:福岡県北九州市)

研究ではCTスキャンを活用し、岩石内部に埋もれた部分を壊すことなく観察。通常の観察では確認が難しい細かな形態まで解析できたことで、新属新種として分類するための特徴を詳しく明らかにしたといいます。

新種名の「ナガシマイ」は、化石を発見した故・永島二人氏にちなみ命名されました。

深海への適応過程を示す重要な発見

アヤマチクモヒトデ科は、現在では深海に生息するグループとして知られています。

一方で、これまで確認されていた古い化石は約1億8000万~1億6000万年前のジュラ紀に形成された浅海の地層から産出しており、その後の白亜紀の記録は見つかっていませんでした。

今回発見された化石は、比較的深い海で堆積したと考えられる地層から産出しており、このグループが白亜紀にはすでに深海環境へ適応していた可能性を示しています。

CTスキャンにより明らかになった化石の姿(左)、標本写真(右)(提供:福岡県北九州市)

また、形態的にもジュラ紀の祖先的な種と約2000万年前以降の現生に近い種との中間的な特徴を備えていることから、アヤマチクモヒトデ科の進化史を考えるうえで重要な資料になると期待されています。

実物標本を北九州市立いのちのたび博物館で公開

研究成果にあわせて、北九州市立いのちのたび博物館では9月23日まで特別展示を開催中です。

展示では、世界で唯一とされる「エナコスファルマ・ナガシマイ」の実物標本に加え、CTスキャンデータをもとに3Dプリンターで制作した拡大レプリカ、比較用の現生クモヒトデ標本、掲載論文などが公開されています。

CTスキャンのデータを元に3Dプリンターで作製した拡大レプリカ(提供:福岡県北九州市)

実物標本とあわせて内部構造を再現したレプリカを展示することで、肉眼では確認できない特徴も立体的に観察できる内容となっています。

※2026年8月2日時点の情報です

(サカナト編集部)

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