静岡県西伊豆町で、地域に伝わる伝統食「潮かつお」の文化継承を目的とした体験型企画「潮鰹の誓い」がトライアル開催されます。
カツオ漁の体験や遊漁(釣り)で西伊豆産のカツオを確保し、伝統的な製法で潮かつおを仕込んだうえで、年初に神事を行う取り組み。今年9月と10月に漁業体験や仕込み体験を実施し、2027年1月には「正月魚」の行事が予定されています。
潮鰹の誓い キービジュアル(提供:株式会社ウミゴー)古くから伝わるカツオの保存食「潮かつお」
潮かつおは、カツオを塩蔵して保存する伝統的な加工食品です。鰹節の製法が確立する以前から食べられてきたとされ、古くから続くカツオ加工文化の一つとして知られています。
西伊豆町田子地区では、潮かつおが年末年始の神事と結びつき、「正月魚」として受け継がれてきました。かつてはカツオの一本釣り漁が盛んで、最盛期には多数の漁船が田子地区に集まっていました。
一本釣り漁の様子(提供:株式会社ウミゴー)漁の安全や豊漁、豊作、子孫繁栄などを祈る神事では、年末に仕込んだ潮かつおを神前に供えます。それを神事の後に船員へ分けることで、航海をともにする契約の証としても扱われていました。
この「正月魚」の文化は、2017年に西伊豆町の民俗文化財に登録。一方で、一本釣り漁の衰退によって西伊豆町産のカツオを確保することが難しくなり、伝統を支える担い手も減少しています。
現在、潮かつおを生産しているのは国内でも田子地区のみとされ、文化の継承が課題となっています。
カツオを釣り、仕込み、神事へつなぐ
体験型企画「潮鰹の誓い」では、従来の一本釣り漁に代わる方法として、現在活動する漁船や遊漁船を活用。9月26日と10月18日に実施する<DAY1>では、漁業体験コースと遊漁コースに分かれてカツオを狙います。
漁業体験コースでは、龍海丸による「ひき縄漁」を体験。船を走らせながら疑似餌を流し、カツオを狙う漁法です。
一方の遊漁コースでは、遊漁船・ふじなみ丸でルアーを使ったキャスティングを行い、水面でカツオが餌を追う「ナブラ」を狙います。
確保したカツオを「潮かつお」に仕込む
帰港後には、確保した西伊豆産のカツオを使って潮かつおの仕込みを行います。仕込みは、西伊豆町で現在も潮かつおを製造するカネサ鰹節商店の五代目・芹沢安久氏が指導します。
カツオが確保できなかった場合にも、用意されたカツオを使って仕込みを体験できる予定。仕込んだ潮かつおは2027年1月5日に予定されている神事で神前に供えられ、終了後には、清められた潮かつおが参加者に分配される予定です。
潮かつお(提供:株式会社ウミゴー)来年以降の開催を見据えたトライアル
本企画は西伊豆潮かつお研究会と株式会社ウミゴーの共催で実施。今回はトライアルとして開催され、今後の開催に向けて写真や映像の撮影も行われるそうです。
定員は漁業体験コース10人、遊漁コース8人で、参加費は大人1万8,000円、小人9,000円で、小人は小学生以下かつ漁業体験コースのみが対象です。予約は専用アプリ「UMIGO」で受け付けています。
詳しくはウミゴーの公式ホームページに掲載されています。
※2026年9月9日時点の情報です
(サカナト編集部)