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産地減少が続く徳島・吉野川の「すじ青のり」を守る──ギフト向け商品「香乃幸」を全国発売

株式会社紬は9月14日、徳島県の吉野川で天然採苗によって育てられた「すじ青のり(スジアオノリ)」を使ったギフト商品「香乃幸(かおりのさち)」を全国発売を開始しました。

すじ青のりは全国的に生産地が減少しており、近年は海水温の上昇による不作も発生。今回の商品では、そんなすじ青のりを次世代につなぐため、吉野川産のすじ青のりを漁師が手摘みで収穫し、加工から包装、販売まで一貫して手がけています。

香乃幸(提供:株式会社紬)

徳島県のすじ青のりを取り巻く環境

すじ青のりは、一般的に「青のり」として流通するアオサ類などとは異なる海藻で、香りの高さが特徴とされています。

徳島県は全国生産量の7~8割を占めてきましたが、2025年度の徳島県漁業協同組合連合会の販売実績は22トンとなり、60トンを超えた前年度から大きく減少。不作の背景には海水温の上昇があり、2025年10月の水温は平年より1~2℃高く、養殖に適した期間が短くなったことなどが要因とされています。

気候変動による生産環境の変化は、すじ青のりの産地にも影響を及ぼしています。こうした状況の中で、「香乃幸」を手がける株式会社紬では、漁連への出荷だけでなく、生産者が消費者へ直接届ける仕組みを2024年から始めています。

生産者と消費者との距離を縮め、品質や製法を含めたすじ青のりの価値を伝えることが、直販を始めた背景にあるとしています。

吉野川の天然採苗と手摘みによる生産

「香乃幸」に使用されるすじ青のりは、吉野川に自然に存在する胞子を養殖網に付着させる「天然採苗」で育てられています。

これは、人工的に種苗を作るのではなく、その年の川に存在する天然の胞子を利用する方法です。

すじ青のり養殖(提供:株式会社紬)

水温や潮、天候を確認しながら、干満差を利用して網を水面上に出す「干出」も実施。収穫はすべて手摘みで行われ、収穫後の洗浄、乾燥、選別、検品、包装まで一貫して管理されているといいます。

収穫後の工程(提供:株式会社紬)

異物を確認しながら取り除き、色や艶、香りなどを確認して商品に仕上げているそうです。

すじ青のりの形を残した原藻タイプの「堂々」と、料理に使いやすい粉末タイプの「細やか」の2種類。いずれも1gずつアルミ蒸着小袋に包装され、香りを保ちやすい仕様となっています。

「香乃幸」に込めた産地と漁師の仕事

「香乃幸」は、吉野川が育むすじ青のりの香りを食卓に届けることをコンセプトとした商品。パッケージには、吉野川の自然や漁師の姿、天然採苗を守る姿勢を「点画」で表現しています。

香乃幸 パッケージ(提供:株式会社紬)

同商品は徳島県知事認定の「とくしま特選ブランド」にも認定されています。

生産を担う漁師の土井誠さんは、19歳で漁業の世界に入り、32歳で吉野川のすじ青のり養殖を独立の柱にしました。漁師歴は約30年、すじ青のりの養殖歴は約18年になるそうです。

冬の吉野川に並ぶブイや支柱、海苔網の風景とともに、地域で育まれてきたすじ青のりを次世代へ残すことを目指し、直販や新商品の開発に取り組んでいます。

詳しくは株式会社紬の公式ホームページに掲載されています。

※2026年9月28日時点の情報です

(サカナト編集部)

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