ビオトープとはギリシア語で「生き物の生息場」という意味です。その中でよく見かけるのが池や沼地のビオトープ、いわゆる「湿地帯ビオトープ」だと思います。私も半年ほど前にコンテナを用いた湿地帯ビオトープを作り、その変化を楽しんでいます。
このコンテナ湿地帯ビオトープ(以下ビオトープ)は安価で誰でも作成でき、また作って適切に管理するだけで生物多様性保全にも貢献できるというスグレモノです。
今回は生物多様性の保全に貢献できるビオトープの魅力や重要性を紹介します。
ビオトープの重要性とは?
私が作成したビオトープは、生物多様性の保全を考慮しエコトーンを作ったビオトープです。いきなり難しい単語連発でスミマセン。ひとつひとつ解説していきます。
生物多様性とは
生物多様性は「生態系・種・遺伝子」それぞれ3つの多様性を合わせたものを指します。
ざっくり言うと、森や川などを「生態系の多様性」、メダカやカエルなど個々の生物種を「種の多様性」、その種の地域ごとの遺伝子の細な違いを「遺伝子の多様性」と呼びます。環境保全の際、この3つの多様性(=生物多様性)を守ることが大切だと言われています。
少し難しいですが、今回のビオトープではこの3つの多様性を守る効果があると考えていただければ大丈夫です。
エコトーンとは
今回のビオトープにおいてエコトーンは「水とも陸ともつかない場所」と定義されます。写真のような植物の根や茎、泥などでヒタヒタになっているような場所です。
時期によってこのエコトーンは干上がったり、水中に沈んだりもします。実はこのエコトーンを産卵場所として利用する生き物や、エコトーンにしか生息していない生き物も沢山いるのです。
コンテナビオトープの役割
生物多様性の保全に配慮しエコトーンを備えたビオトープは、庭やマンションのベランダ等に設置しておくだけで色んな生き物がやってきます。
実際、私のビオトープにも小さな昆虫がエコトーンで休息をしていたり、植えた植物のミツを吸いに蝶が来たりしました。ビオトープ内で飼育しているメダカやヌマエビにも、もはやエサすら与えていません。
このビオトープで環境が成り立っているのです。たかが60cm程度のコンテナですが、このビオトープが各住宅にあったとしたら、その恩恵は多大なものとなるでしょう。
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